2017年8月23日水曜日

東京に来て良かったことランキングtop10

私が東京に住み始めてからもう二年が経った。私は田舎者で、かつ人混みが苦手で、その上吝嗇のきらいがあり、さらには非活動的でよく家に引きこもっている。したがって、都会向きの人間だとは全くもって言えそうもない。ところが、それでも住めば都と言うもので(*)、住んでいるうちに東京のメリットが見えてきた。そこで本記事では、都会嫌いの私なりに感じられた、「東京に来て良かったことランキング」を述べていきたいと思う。

第10位: 文化施設が多い
東京には博物館や美術館が多い。その上、その多くが大きく、たくさんの展示資料があって見飽きることがない。学生のうちから東京に住むことにより、長期休みや全休の日等を利用して、人混みを嫌う私も平日から文化施設に行くことができた。

第9位: 庭園が多い
新宿御苑、六義園、後楽園など、東京には庭園が多い。四季折々の花や、風情ある日本庭園、紅葉を楽しむことができ、これも飽きることがない。また、前田侯爵邸のように、庭園に洋館がある場合もあり、こういったレトロな建築を見るのも面白かった。

第8位: 公共交通が発達している
東京では公共交通によって好きなところに行くことでき、また本数も多く、終電も遅いため非常に便利である。特に、遅刻しがちな私にとっては本数の多さが嬉しい。自動車を持たない学生にとって、公共交通が便利なことは大きなメリットとなる。

第7位: 病院を選べる
実家では、自転車圏内で病院に行こうとするとき選択肢はほとんどなかった。しかし東京では徒歩圏内にいくつもの病院があり、病院を選ぶ余地があった。これには大いに感動した。こうして選んだ病院は、中が明るく綺麗で断然清潔感があり、電子機器を駆使してわかりやすい説明をしてくれるため、かかりつけ医として安心感がある。今では、病院にはできる限り帰省前に行くようにしている。

第6位: 時代錯誤社がいる
東京大学の時代錯誤社というサークルには何度も私の「変人」概念を塗り替えされ、大きく衝撃を受けた。彼らの発行する雑誌「恒河沙」は私の笑いのツボを直撃し、一年生の頃の私にとって心の支えとなった。彼らが新刊を発売するときに行う特徴的な演説も面白く、私は新刊の発売を心待ちにして日々を過ごしていた。特に、政治系サークルの人とメガホン演説で対決し合う様子を生で見ることができたのは大変印象的な出来事であった。

第5位: 豆腐屋が近い
家の近くに豆腐屋があり、ここの豆腐は美味しい。冷奴にしても美味しいし、鍋の具にしても美味しいし、ゴーヤーチャンプルーに使っても美味しい。豆腐は低カロリーなため夜食にも好適で、消化がよく、良質なタンパク質を含み、優れた食材である。豆腐の使用頻度は高いため、質の良い豆腐が手軽に手に入ることは嬉しかった。
また、この豆腐屋では生のおからも扱っている。おからは日持ちがしにくい食材のため普通のスーパーでは売っておらず、近くに豆腐屋がなければ大量に手に入れるのは難しい。おからは食物繊維が豊富で、便通の改善に役立つ。この点でも豆腐屋の存在はありがたかった。

第4位: 選挙が面白い
東京の選挙は独自路線の選挙活動を展開する候補者が多く、地方の選挙と比べてかなり面白い。かの有名な又吉イエスや外山恒一が活動するのも東京であり、昨年の都知事選ではマック赤坂や後藤輝樹の出馬が話題となった。マック赤坂の公約が載った選挙公報を手にした時はある種の感慨を覚えたものである。
立候補者数の多さは、意見の多様性に繋がる。一見奇をてらっているような候補者も、公約をよく読むと検討に値する政策を提案していたり、あるいは地味な泡沫候補が政党の枠に縛られない興味深い公約を掲げていたりする。これらを発見することは、東京ならではの楽しみだと思う。

第3位: エキゾチックな料理店が多い
駒場キャンパス近くの渋谷・下北沢には数多くの料理店が軒を連ねているが、特に私が注目しているのはアジア系の店である。実家の近くにはそのようなお店は少なく、時折インドカレー屋やタイ料理店に行く程度であったが、東京に来てからはかなり気軽に行くことができるようになった。ネパールやアルゼンチン料理店なども訪れたが、これらは東京に来るまで見たことがなかった。様々な国から人が集まる東京の懐の深さを思い知った。

第2位: キムワイプ卓球が盛ん
私はキムワイプ卓球のサークルに所属しているが、このスポーツの活動が地球で最も盛んな都市が東京である。東京は競技人口が最も多く、日本製紙クレシアの本社があり、キムワイプ卓球サークルが複数の大学に存在している。このおかげで安定的にキムワイプ卓球の活動ができており、今年は初の研究会が東京で開かれた。また、駒場祭でキムワイプ卓球企画に多くの来場者が集まっているように、キムワイプ卓球コミュニティが外へと広がって行く上で、その中心となっているのも東京である。
このように、東京では研究機関・製紙メーカーが立地するサイエンティフィックな土壌の上にサイエンティフィックな人々が集まって豊かなキムワイプ卓球文化が醸成されている。これは他の都市にはない魅力であった。

第1位: 銭湯が多い
私が最も魅力に感じているのは銭湯の多さである。銭湯がほとんどなかった実家の周辺に対して、東京の銭湯の多さは眼を見張るものがある。数が多いだけでなくバリエーションも豊かで、古くから同じスタイルでやっている趣ある銭湯から、真新しく明るい雰囲気のおしゃれな銭湯まで多種多様である。また、東京にも温泉があり、有機物の溶けた焦げ茶色〜黒色の湯が湧いている。東京の銭湯の中にはこの黒湯を供しているところがあり、これも460円であるからお得である。
様々あるお風呂の湯の中でも、特に私が最も好きなのは炭酸泉である。二酸化炭素が溶け込んだぬるめのお湯は体をじわじわと温めてくれて、疲労回復への効果が高く、入っていて大変心地が良い。炭酸泉のある銭湯には二酸化炭素の気泡を発生させる装置があり、これにより自宅で入浴剤を溶かしたときよりも遥かに高い濃度の炭酸泉となる。このような風呂には東京に来るまで入ったことがなかった。これに手軽に入ることができるのは実に素晴らしいことだといえよう。

このように、東京は多様な顔を見せてくれる都市であり、東京に住んでみると意外に自分に向いた面があることに気づいた。この記事が、東京に住むことを検討する場合の参考になれば幸いである。

(*)ただし、東京は住まなくても都である。