2020年5月13日水曜日

マッチングアプリ

先日まで、6,000円強を投じてpairsの有料会員に登録していた。pairsというのはマッチングアプリの一種で、恋人がほしい男女が出会うためのアプリである。登録すると色々な異性の人のプロフィールが表示され、気になった人にいいねを送ることができる。お互いにいいねを送り合うとやり取りが可能になるという寸法だ。
私は次のような自己紹介文を設定していた(*1)。
「私は大手商社に勤務しており、年収が1000万円あります」と言うと、「すごいですね」と思われるかもしれません。しかし、実態はそれほどすごいものではありません。なぜならば、私は大手商社に勤務していないからです。本当は東大の院生です。収入は少ししかありません。その代わりと言っては何ですが、牛乳でよければ冷蔵庫の中に1Lほど入っています。ちなみに、牛乳というのは美味しい飲み物の一種です。飲んだことがなければ、是非一度飲んでみてください。牛乳が飲み物の一種であることが分かるでしょう。
さて、私は普段物理学の研究をしています。世の中には、物理学に対して「難解でよく分からないもの」というイメージを持たれている方も残念ながら多いのですが、私もその一人です。「よく分からないのにどうして物理学なんかを研究しているのか」と思われるでしょうが、自分がなぜ物理学を研究しているのかもよく分かりません。このように、この世界にはよく分からないことがたくさんあります。私は、世界に潜むこうした謎を少しでも解き明かしていけたらなと思いながら生きています。
私は誠実な性格をしており、滅多なことでは嘘をつくことがありません。なので、詐欺師や政治家には向いていないと思います。最近、「だんご3兄弟はそれぞれ真・善・美を司っているらしい」だとか「ハンドクリームを顔に塗ったら審判にレッドカード突き付けられて退場になった」などと嘘をつきましたが、嘘をついたのはそれくらいです。
私には趣味が256個あり、非常に多趣味です。例えば、私は平均して月に0.1回の頻度でジムに行って筋トレに励んでいます。特に左耳の筋肉には自信があり、左耳をピクピクと動かすことが特技です。私の趣味として、他にもキムワイプ卓球、ブログ執筆、クロスワード作り、工場見学、ゴーヤーチャンプルー作りなどがあります。残りの250個が何だったのかは忘れてしまいました。私は物事を覚えていることが苦手なのですが、これは言い換えれば物事を忘れることが得意ということになります。私はそうやって今までに合計256個もの特技を作り出してきたのですが、その中身は生憎忘れてしまいました。
ここまで書いたことはほとんどツッコミ待ちの冗談なのですが、もし興味を持っていただけましたらいいねして頂けますと幸いです。というかブログだけでも読んでいって下さい。どうか宜しくお願いします。
多くの友人から「ようやるわ」「恥ずかしくないの?」「ヤバ」などと言われ、Twitterにも晒された(*2)この文章であるが、アプリで知り合った女性の中にはこのテイストを気に入ってくれた人もときたまおり、何人かの女性とは連絡先を交換することができた。
今のところ恋人はいないけれども、このブログのファンは少しばかり増えたと言っていいだろう。

(*1)これとは別に、「コミュニティ」を設定して趣味などを相手に伝えることができる。たとえば「大学院生」コミュニティがあり、そこに入ると同じ大学院生を容易に探すことができるわけだ。私が入っていたコミュニティは、「理系の人集合!」「キムワイプ」「匿名ラジオ」「ブラタモリ好き」「温泉大好き」「お豆腐が好きです」「レトロな建築が好き」「ルネ・マグリット」「詩仙堂が好きなひと」「ボブネミミッミ」「国語の教科書配られたらすぐ全部読んでた人」「AC部」「イルカのイルカくん」「小野ほりでい」「キルミーベイベー」「粕汁大好き!」「おから 卯の花 雪花菜 好物です」「どじょうが好きです」「ささみが好き」などである。どれも大して人がいない過疎コミュニティだったのだが、「キムワイプ」「ボブネミミッミ」「匿名ラジオ」あたりはそこから話が盛り上がったこともあり、入っていてよかったと思ったものである。
(*2)https://twitter.com/_myslee__/status/1229342691902623745?s=20

2020年5月9日土曜日

暇のつぶし方15選

COVID-19の感染拡大を受け、外出自粛が呼び掛けられている。そこで散見されるのが、外で人と遊ぶことができず退屈だという意見である。私はこの状況下でも色々やることがあり本当に忙しくてしようがないのだが、このblogを読んでいるような人の中には暇で暇でどうしようもない方もいらっしゃるであろうから、聡明な私が代わりに暇つぶしの方法を考えてあげることにした。参考になれば幸いである。

cf.「ころなブログ」(町田なブログ)......本記事執筆のきっかけとなったエントリ。

1) 眠る
眠るとあっという間に時間が過ぎていきます。その時間の進みの早さは、まるでずっと眠っていたのではないかと思うほどです。これは睡眠が非常に楽しいということの証左です。

2) 学問する
学者「scholar」の語源は、「暇」を意味する古代ギリシャ語の「σχολή (scholē)」であったと言われています。というのも、暇な貴族たちが学問をしたのがギリシャ哲学の土壌になっていったからです。かつての賢人たちがそうしたように、暇ならば学問をするのが一番だといえるでしょう。

3) しりとりする
よし、一人しりとりをしよう!
しりとり → リストカット → 吐瀉物 → つみれ汁 → ルベーグの収束定理 → リマン海流 → 牛久大仏 → 通貨スワップ協定 → 犬 → ヌクレオチド →  ドップラー効果 → カインの末裔 → イソプレンゴム → 無KのK
......そうだ、無KのKでも読むか。

4) 「無KのK」を読む
というわけで、暇なら無KのKを読んでください。特にクロスワードは暇つぶしに最適です。

5) 応援する
読んだら私を応援してください。

6) "ゲッツ"の練習をする
ゲッツ!
アンドターン、アンドリバース!

7) 水を飲む
ゲッツで疲れたらたくさん水を飲みましょう。水分補給は大切です。ゴクゴク水を飲んでいると、水が喉を潤していくのが快感で、だんだん楽しくなってくることでしょう。

8) 祈りを捧げる
この世界では、人々はいがみ合い、犯罪は続発し、紛争の火種は絶えることがありません。世界は未だ平和から程遠い状態にあります。世界が抱える問題の大きさに対して、私たちはあまりにちっぽけな存在です。私たちは、無力感に打ちひしがれることがあるかもしれません。そのようなときは、せめて祈りを捧げましょう。
世界が平和になりますように、と。

9) 冒涜する
誰かが大切にしているものをぞんざいに扱ってみせるのは、さぞ気持ちがいいことでしょう。なに、気に病むことはありません。宗教にせよ、天皇制にせよ、所詮はただの集団幻想みたいなものです(※諸説あります)。
仮に本当に何かを冒涜して怒られても、私のせいにするのはやめてください。

10) 恋する
恋に落ちてしまえば退屈な時間なんてありません。恋愛中の脳を通して見れば何もない空間にも花が咲きます。いつだって相手のことが気にかかり、ふとしたLINEにドキドキし、声が聞ければ舞い上がります。恋は暇の特効薬といえるでしょう。
もし手近にいい人がいないのであれば、女子ならとりあえず私に片想いしておけばいいんじゃないでしょうか。男は深夜アニメでも見ていて下さい。

11) 暇つぶしの方法を考える
どうしても暇なら自分で暇つぶしの方法を考えてください。そして思いついた暇つぶしをこの記事のコメント欄に投稿してください。

12) 暇がつぶれていく様子を観察する
逆に暇をつぶさないというのはどうでしょうか。暇の方もつぶしてほしがっているでしょうが、そこをあえて無視するのです。つぶさずに粘り強く我慢していると、次第に痺れを切らした暇の方から自発的につぶれていくことかと思います。それを観察日記にするのです。

13) 暇をする
暇をする、という言い回しがあります。暇なら暇をすればいいのです。どんなにすることがなかったとしても、暇することはできるはずです。

14) 存在する
二十数年に渡って存在してみて分かったのですが、存在するというのは存外難しいことだと思います。もし読者の中に存在しない人がいらっしゃったら(いらっしゃらなかったら)、この機会にちょっと存在してみてください。
きっと後悔することでしょう。私は後悔しています。助けて助けて助縺代※蜉ゥ縺代※

15) 発狂する
蜻ェ繧「繝帛測豁サ縺ュ蜻ェ繧ッ繧ス縺悟測豁サ縺ュ繝懊こ蜻ェ繧ェ繧ソ繝ウ繧ウ繝翫せ蜻ェ繧ォ繧ケ縺ョ繧ッ繧コ驥朱ヮ繧∝測螟ア縺帙m蜻ェ遉セ莨壹?逋悟測谿コ縺吶◇豁サ縺ュ縺雁燕縺ェ繧薙°逕溘ざ繝滉サ・荳九□豁サ縺ュ豁サ縺ュ蜻ェ豈呈ョコ蛻コ谿コ邨樊ョコ謦イ谿コ辟シ谿コ蜻ェ


縺後s縺ー縺」縺ヲ15蛟九b縺九s縺後∴縺溘′、縺昴?縺帙>縺ァ鬆ュ縺後♀縺九@縺上↑縺」縺ヲ縺励∪縺」縺。隱ー縺句勧縺代※縺上l。

2020年5月1日金曜日

短編小説: 洗剤

私の友人みりあが中学生時代に執筆した小説「洗剤」を、当人の許可を得て公開する。一部現在の感覚に照らし合わせて不自然な表現(*1)もあるが、時代背景を考慮した上で当時の表現を尊重し極力そのままにしておいた。ただし、誤字と思われる箇所に限り軽微な修正を行った。
「洗剤」は、国語の授業で詩「ジーンズ」(*2)を小説に翻案せよという課題を出された際に彼女が提出した作品である。彼女の文才が遺憾無く発揮された絶妙な筆致とコンパクトながら衝撃的なストーリー展開が(先生はともかく)我々の間で絶賛され、今もなお伝説として語り継がれている名作だ。
栴檀は双葉より芳し、という言葉がある。成長した今もなお多方面でマルチな活躍(*3)を続ける鬼才・みりあが紡ぐ「洗剤」の世界を、皆様にも是非読み味わっていただきたい。

(*1) 2009年に登場したブランド「さらさ」が今ではすっかり定着したものになっている、など。
(*2)「洗剤」の価値を知るためには、まず「ジーンズ」を解釈する作業が欠かせない。cf. 高橋順子『ジーンズ』で詩の読み方を教える
(*3)1つのソシャゲに200万円以上課金する、山で凍死しそうになる、大便を漏らす、頭から血を流しながら試験を受ける、家にいない間に知らない女の人が自分の下宿のベッドで寝ているところを発見する、など。

洗剤 
 ジーンズを洗濯して干した。洗剤はもちろんトップだ。レノアも忘れてはいけない。レノアを使うと服が柔らかくなり、着心地がよくなる。また匂いもいい。あいつも結構機嫌がよくなっていた。あいつとは私の元彼だ。もう別れてしまった。だが今、私に未練はない。だから私は、あいつからふっきれるためにジーンズを洗ったのだ。あいつが好きなのはアタックだから洗剤を変えたのだ。ジーンズは決して裏切らないから・・・。
 あいつとは五大薬局で知り合った。あいつは新発売のアタックNeoを勧められていた。私は、トップをまとめ買いするところだった。私はあいつに一目ぼれした。それから私とあいつは付き合い始めた。メーカーは違うが、二人とも洗濯用洗剤には人並外れたこだわりを持っていて意気投合したようだ。あいつは以前、ブルーダイヤを使っていたらしいが、アタックの方が良かったらしい。私はためしにアタックを使ってみることにした。案外よかったが、やはりトップには代えられない。
 だが突然、あいつはこだわりをやめやがった。新発売の「無添加さらさ」というやつを使いだしたのだ。私は怒りを通り越してはらわたが煮えくりかえった。互いにメーカーは違うが、情熱のあると言ってもいいくらいのこだわりの洗剤がある仲ではなかったのか。私とあいつとはそれっきりだ。アタックなんかもう使わない。そう思って私は新たな洗剤を求めスギ薬局へと走った。五大薬局はもう行きたくない。だがポイントを使うために別の五大薬局には行こうと思うが。私はボールドとアリエールとナノックスをそれぞれ1箱ずつ買ったが、トップの昔から変わらないなんともいえないあの柔らかさには代えられない。
 それからあいつとは何もない。どうせ次はファブリーズにでも手を出しているんだろう。
 私はスギ薬局の常連になった。今は、ファーファとトップを検討中だ。洗濯機はななめドラムがいい。そうだ。明日はジョーシンに行こう。ジーンズと家計に優しいななめドラムを安く買ってやるのだ。

関連記事: 「つい洗剤を出しすぎてしまい困る」