一向に院試勉強に集中できず、レポートの執筆も試験対策も遅々として進まない。その原因として、以下に挙げる事項が考えられる。
1. セミナーが2つある。
研究室のセミナーと必修科目のセミナーの2つのセミナーを抱えており、その発表準備に時間がかかっている。それに伴う精神的負荷もあるだろう。
2. 気象条件が悪い。
雨の日は、低気圧で鼻の調子が悪くなり勉強に集中できない。
晴れていると暑過ぎて勉強に集中できない。冷房をつけると電気代が気になって集中できない。大学に行って勉強しようとすると、大学に辿り着くまでに暑さでやられてしまって集中できない。
曇りの日は曇りの日で(他の日と同程度に)集中できないが、その原因は未だ解明されていない。曇りの日に集中できない原因が気になって集中できない。
3. だいたい体のどこかが痛い。
筋肉痛になっている日もあれば、頭痛がする日もある。この前は深爪をして指先が痛かった。その前は鼻の粘膜が乾燥して鼻が痛かった。更に前は卵のパックを落として割ってしまう手痛い失敗をした。仮に体が痛くなくても、次の理由で心が痛い。
4. 社会問題が深刻化しつつある。
枯渇へと向かう化石燃料、解決への見通しが立たない地球温暖化、その恐怖を掻き立てる異常気象、生物多様性の減少、言語の消滅、少子高齢化、発展途上国の人口爆発、シリア等で続く紛争、難民問題、核開発、テロの脅威、格差の拡大と階層の分断など、我々が直面する重大な問題は枚挙にいとまがない。私はこれらの問題を深く憂慮し、恒久的な解決がなされることを強く望むとともに、何も成し得ない己の無力さを日々痛感している。痛感し過ぎた結果、心の痛みで大学院入試の勉強さえ成し得なくなってしまった。
5. キルミーベイベーの二期がない。
キルミーベイベーの二期さえ来れば、にわかに集中力が増すのではなかろうか。特に根拠はないが、そんな気がする。
6. 牛乳の摂取量が不足している。
牛乳は私にとって重要なタンパク源であるとともに、日々に活力を与えてくれる存在である。これが不足すると、私の場合まず初期症状として不眠傾向が強くなる。これだけでも勉強を妨げるに十分であるが、これを放置していくと次第に牛乳のことしか考えられなくなってイライラするようになる。従って、私が集中できていない理由として、牛乳の摂取量が不足しているというのは十分に考えられる。
7. 牛乳の摂取量が過剰である。
今もお腹がゴロゴロしている。1日で牛乳を1 L飲んだのはまずかったか。
8. 生きている。
我々は生老病死の四苦からは逃れられない。ただ生きているだけで、肉体があるために必然的に生じる苦しみに苛まれ続けねばならない。この苦しみのあまりの大きさとあまりの理不尽さを思えば、勉強に集中できている方がおかしいくらいだ。
9. 勉強に集中できない原因を考えている。
勉強に集中できていないと感じると、すぐにその原因は何だろうかと思いを巡らせてしまうせいで勉強に集中できない。そもそも、こんな記事を書く暇があったら勉強するべきだろう。
10. 大学院入試を控えている。
院試の存在がプレッシャーとなっているせいで、院試勉強に集中できない。院試さえなければどれほど院試勉強していたことだろうか。院試がない状態に置かれた私の鬼気迫る猛勉強のほどを皆様にお見せしたいのは山々だが、なにぶん院試というものがあるせいで叶わない。
こういうことを言うと、「では院試が終わったら猛勉強の様子を見せてくれ」などと言う者が現れるかもしれないが、そのときは「院試」が「卒論」に置き換わるためやはり猛勉強のほどはお見せすることができない。私が全てから解放されるまで今しばらく待っていてほしい。
院試のレポートの締め切りはもうすぐであるが、これらの理由から勉強に集中できなかったため、私はレポートを書かずにいた。すると、大変不思議なことに、レポートは完成しなかった。
10ページ中9ページを白紙として残した(*)レポートを前にして、私は頭を抱えている。
(*)唯一白紙でない1ページは、表紙である。
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