「このスカートを見てください。傘の骨が折れたから、傘をスカートにしたんです」
黒いスカートを履いた女性が、私にそう話しかけた。女性は私のTwitterのフォロワーのなにがしを名乗った。そのとき私は喫茶店にいた。テーブルの上にアイスコーヒーがあった。
「これ、ワンタッチ傘なんです。このボタンを押すとスカートが開きます。ほら」
女性はベルトのボタンを押したが、何かが変わったようには見えない。怪訝な顔をする私に対して、女性は説明を続けた。
「開く向きは、4次元目の方向ですからね。あなたがいる3次元空間ではありません。これは4次元の傘、4次元のスカートなんですよ」
私は、初対面なのにずいぶん変なことを言う人だな、と思った。
「おじいさん、最近散髪に行かへんのよ。もう2ヶ月は行ってへん」
祖母が、私にそう話しかけた。そのとき私は祖父母の家にいた。テーブルの上に餃子の王将のオードブルがあった。
「おじいさんハゲてるし、別に散髪行く必要ないんちゃうん」
私がそう答えると、祖母は言った。
「それがな、おじいさん床屋じゃないと体操もせえへんし、着替えもせえへんねん」
「えっ!?2ヶ月も着替えてへんの?それは散髪行かなあかんわ。ちょっとおじいさんとこ行って説得してくる」
祖父の部屋に行ってみると、祖父は眠っていた。私は、起こすのも忍びないな、と思った。
ここで目が覚めた。私は昨日夕方5時半に入眠し、夜の3時半に起きたのだが、朝の10時半頃に眠くなってまた寝てしまったのだった。
フォロワーの人にせよ祖父にせよ、本当に変な奴だと思ったが、全部夢だったのか。私は、勝手に奇人にしてしまって申し訳ないな、と思った。変なのは私の脳だった。
2021年5月9日日曜日
4次元と床屋
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