2022年10月23日日曜日

カニクリームコロッケ

[前回のあらすじ]
Twitterのスペース機能を使って最近の出来事について一人で話していたが、話題の限界に到達したため、リスナーの人に話し相手になってもらうことにした。

「サンマが好きなんですね」
私「そうやね。Twitterのヘッダもサンマの骨の写真やし。サンマを綺麗に食べるのには自信がある」
「お嫁に行けますね」
私「行けるかなあ。俺お裁縫とか苦手なんやけど、サンマを食べるのが得意というその一点だけで評価してもらえるやろか」
「今は裁縫する機会も少ないですから、大丈夫ですよ。子供ができたらゼッケンを縫い付けたり、雑巾を縫ったりするかもしれませんが」
私「どっちも無理や......」
「玉入れのたまとか」
私「玉入れのたま、業者のやつじゃなくて親御さんが手作りしてたん?重さバラバラになりそうやな」
「多少バラついても玉入れには使えますから」
私「そうやな。人が力加減調節すればいいもんな。人間なら調節できる。調節できるのが人間や。生き物はそうやってファジイにできている。やったら、俺は一個だけやたら重いの作ろうかな。投げて入ったと思ったら網に穴が開いて全部落ちてくるねん」
「危ないですよ.......。とにかく、お裁縫するくらいなら新しいもの買っちゃいますよね。例えば穴の空いた靴下を縫って直したとしても、他の部分の生地が薄くなっているでしょうし」
私「テセウスの靴下ってね」
「えーっと......」
私「これ意味通じてるかな?『テセウスの船』っていう言葉があって。木造の船があったとして、だんだん木材が傷んでいくやんか。傷んだところからどんどん木材を新しいものに入れ替えていったら、一体どこまで「同じ船」と言えるのだろう?という話」
「分かります分かります。人間の細胞は入れ替わっていくけど、同じ人間と言えるのだろうか、ということですね」
私「そうそう。つまり、もし俺が裁縫得意になってしまったら、こういう哲学的な問題が生じてしまうってこと」
「......」
私「これ話広がらんな」
「元々サンマの話でしたよね」
私「サンマからここまで袋小路に入り込むの、話題の街から迷子になる才能がすごいよな。ダッシュで洞窟の中に来てしまった」
「自分で自分の退路を絶っていたような気がします」
私「背水の陣や」
「迷わないように跡を残しておかないとダメですよ」
私「あー。通った道にブドウとか置いていって」
「パンくず......」
私「パンくずか。ブドウは値段が高すぎるか」
「でもパンくずも全部食べられてしまうのですが」
私「レーズンパンやったらもう尚更やろな。ちぎったのがパンのところやったらパクッ、干しブドウのところはバクバクバクや。干しブドウは美味いからな」

***

「(@tactfully28のメディア欄を見ながら)このアナゴすごいですね。フライパンに収まってない」
私「これすごいよな。骨めっちゃあって食べにくかったけど美味かったわ。スーパーで40%オフのシール貼ってあったから買ったねん。俺このスーパーめっちゃ好き。一回ブリやったかな、うん、確かデカいブリが丸ごと一匹売っとったことがあって。すごかったわ、一人じゃ食べきれんよね」
「ぶりしゃぶパーティーできますね」
私「ぶりしゃぶパーティーいいね。パーティーといえば、5年くらい前にシチューパーティーをやったのを思い出したわ」
「シチューパーティー?」
私「学科の友達とシチューを作ってM-1を見たという、それだけの会」
「楽しそうですね」
私「昼休みに、お湯を注いで作るカップシチューを食べている奴がいて。で、おくっていう友達がおるんやけど、おくが『シチュー好きなん?』って聞いたら、そいつは『大の好物』って答えたんよね。それで、僕とおくが『じゃあシチューパーティーやろう』って。そういう経緯でシチューパーティーが開催されたねん」
「へー」
私「シチューも鍋で作るからね、鍋パがあるならシチューパーティーがあってもいい」
「この前上司に『たこ焼きってシチューみたいだよね』と言われて、どういうことなんだろうと思ったんですが、でも今の話で分かった気がします」
私「何いうとるのその人。たこ焼きとシチューは全然違うやろ」
「関西のたこ焼きって中がとろとろですから」
私「いやー、違うな。その人全然焼かずに液を直飲みしとるんちゃう?シチューじゃなくて、カニクリームコロッケならわかるけど。どっちもカリカリの表面をかじったら、中から小麦粉入りの液と魚介類が出てくる食べ物やから。他の同僚も上司に同じようなこと言われて、『何言うとるんやこいつ』って困っとるかもしれん。裸の王様が生まれる前に、今度上司さんに言うといて。『たこ焼きってシチューというよりカニクリームコロッケですよ』って」

0 件のコメント: