2017年4月26日水曜日

3行レビュー: 前期教養の授業(2)

【1Aセメスター】

・月2: 英語中級
New York Timesの記事を取り上げ、下手な英語(*)で解説する質の低い授業だった。
教材は良いので授業中に自習すれば良いのだが、いかんせん教員の発音と頻繁すぎる「えー」が耳障りである。教員がこの場に存在するのをやめてくれればもっと良い授業になるだろうに、と思った。

・月3,月4: 基礎実験I,II(化学)
理論化学、無機化学、有機化学の全体に渡って満遍なく設定された12のテーマについて実験する。
必修の構造化学や物性化学は量子力学的計算が多く化学反応はあまり扱われない。
ゆえに、必修で化学化学した授業は実はこれしかない。そういう意味では貴重な存在といえる。

・火1: イタリア語初級(演習) <総合L>
前期に引き続いてイタリア語の運用を学ぶ。
どうも履修者全員に100優を出したようだが、教務課に怒られなかったのだろうか。
先生はNHKテレビでイタリア語の講師もしていた。NHKのテキストを買ってサインしてもらった。

・火3(S1/S2): 英語一列/英語二列S(FLOW)
英語一列は前期と同様。FLOWは英語での討論と発表でスピーキングを練習する。FLOWでは、「何かモノの名前を紙に書いてください」と言われたとき、私がとっさに書いた単語が「urea(尿素)」だったため、「Which is useful, wine or urea?」という珍妙な討論をする羽目になった。

・火4: 微分積分学
前期に引き続いて、多変数関数の微積分を学んだ。
スタンダードな講義で特にコメントすることがない。
一度教員が段から落ちた時、同クラが「地面が不連続だった」と言ったのはfunnyだった。

・火5: 微分積分学演習/線型代数学演習
前期に引き続いて、一年生の数学の要点を解説してもらった。
T先生の授業でわからなかったところが整理され、単位を得る助けになった。
配布プリントは週を追うごとに分厚くなり、製作も運搬も大変そうだと思いながら受けていた。

・水1: 地域生態学 <総合D>
あまり授業に行かなかったが、試験に行ったら単位は来た。

・水2: イタリア語一列
接続法や条件法などのやや高度な文法を学び、文章の読解もした。
イタリア語の文章は音読すると大変気持ちが良かったのを覚えている。
同クラが製作したシケプリは非常に素晴らしいもので、授業内容の大変良い復習ができた。

・水3: 身体運動・健康科学実習II
卓球をした。

・水5: 微生物の科学 <総合E>
微生物を研究している農学部の様々な教員のオムニバス講義であった。
様々な微生物の様々な活用法を知ることができたのは面白かった。
試験は持ち込み可で、単位が楽に取れたあたり農学部らしいといえば農学部らしい。

・木2: 電磁気学A
教科書を開けばdivやrotが跋扈する、熱力学に並ぶ数式の森である。
私は熱力学の反省を踏まえ、教科書を着実に読み解いていきMaxwell方程式まで辿り着いた。
ところが理論を理解しても問題を解くことはできず、結局私は単位を落としてしまったのだった。

・木3: 構造化学
水素原子等の軌道を学ぶこの必修科目の実態は、学生が理解できるよう設計されていないキメラ的汚泥である。導入部は量子力学の一般論であり、天下り的な解説は私の理解を拒んだ。更に、表層に物理をまとった"化学"であるこの科目では、物理的意味を深く考えれば考えるほど泥沼にはまるのだ。

・金2: 人文科学ゼミナール(テクスト分析) <展開>
イタリア語の短編小説を題材にし、小説中の動詞の活用に注目して読み解く授業だった。
「なぜこの活用形がここで使われているのか?」を考えることで、文法をテクストの中で理解するとともに、イタリア語という言語の特性の一片を味わうことができ大変刺激的だった。

・金3: 線型代数学
この数式はどこから来たのか。この教員は何者か。この授業はどこへ行くのか。
ぐちゃぐちゃしていて読み解けない板書と解けない演習問題を前に、私はかのゴーギャンの絵を思い出した。そして東大を退学して京大へ行こうかと悩んだ。

・金5: 生物物理学 <総合E>
2人の教員が、それぞれの研究テーマであるタンパク質のフォールディング問題と粘菌の走化性について解説した。授業の一部として行われた研究室紹介を通じ、統合自然科学科で興味深い研究が行われていることを知ることができたのは大きな収穫だった。

(続く)

(*)あまりに日本語的な発音と、英語の得意そうな学生からの質問を度々聞き取ることができなかったという出来事は、英語の教員としての資質に関する疑念を私に抱かせるに十分だった。

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