昼食には二人で蕎麦を食べた。料金は確か2500円くらいだったと思う。私は彼がお手洗いに行っている間に会計を済ませ、外に出た。
「先輩、いくらでしたか」
「ああ、別にええんやけど、もし払いたかったら1000円くれ」
「じゃあ1000円払っておきます、ありがとうございます」
しばらくぶらぶらした後、京都らしい夕食ということでラーメンと唐揚げのセット(*2)を食べた。
「さて、店出るか。唐揚げの分は俺が払っとこうかな。ラーメンの分だけ頂戴」
「ありがとうございます」
「あ、ここ学生証見せたら50円割引になるんか。学生証出して」
「えー......。先輩の(京都大学の)学生証の後に自分の学生証出すのはあんまり......。別にいいじゃないですか」
「よくない。じゃあ50円」
「何でそこだけお金にシビアなんですか。仕方ないですね、50円出します」
「そうじゃなくて、俺が君に50円払うから学生証出して」
「??」
「もっとか。なら100円払う」
「なんでそこまで僕に学生証出させたいんですか」
「面白いやん」
「尚更出したくないですよ。50円受け取って下さい」
全く強情な奴である。埒が明かないので、ここは年長者の私が折れることにした。50円を受け取り、レジの前に立った。
「お会計お願いします。学割で(自分の学生証を見せる)」
「もう一人の方も学生さん?」
「彼はなんか学生証見せたくないらしいです」
「2人とも学生なんやね?じゃあ100円引きにしときますわ」
「ありがとうございます」
こうして退店した。後輩の不服そうな顔を見て、私は笑みがこらえきれなくなった。
「いやー......君が俺に払った50円、無駄金になってもうたな。返したろか?」
「いいですよ」
「学生証見せたくないって言っちゃうっていうな」
「そうですよ。僕何か悪いことした怪しい人みたいになっちゃったじゃないですか」
「何がタチ悪いって、天然でやっとるんやなくて全部分かった上で意図的にやっとるってところよな」
「害悪じゃないですか」
「まあまあ、50円払うから許して」
「いらないです」
その後は仲良く銭湯に入った。
一応、後で話を聞いた限り、後輩は私のこうしたタチの悪い行動もいたずらとして受け入れてくれているようである。ただ、私に関して余計にタチが悪いのは、こうした出来事を(*3)無断でblogのネタにして公開してしまうところである。
(*3)そして「後輩」の学歴を。
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