2019年10月27日日曜日

ペニスの面白さはどこにあるのか?

こんな記事ばかりが連続してしまって申し訳ない限りだが、今回もタイトルから分かる通りの内容である。「続きを読む」にあたっては、十分に注意してほしい。

ここ数日、ずっとペニスのことを考えている。ペニスはとても面白い。体の部位の中でも最も面白いのがペニスだと思う。そんな面白いペニスであるが、ペニスの面白さとは一体どこにあるのだろうか。ペニスが面白いことに気付いた多くの男児は、その俗称を連呼し、そして笑い転げる。これは、ほとんどの男性にとって共通の経験であるだろう。読者の方々においても、ペニスが太文字で繰り返し現れるこの段落を読んで思わず笑ってしまった人が何人かいるのではないだろうか。これらを踏まえると、ペニスには何か根源的な面白さが潜んでいるように思われる。では、その「面白さ」の正体とは一体何なのか。今日はそれを考えていきたい。
なお、ペニスを何度も太文字にしているといい加減しつこいと思われるであろうから、太文字でペニスと書くのはこの段落で最後ということにする(言い換えれば、以降はペニスではなくペニスと表記するということである)。

まず最初に私の結論を簡潔に述べよう。「ペニスの面白さは、[1]タブー と [2]形状 の二つの要素から成っている」というのが私の意見である。順に見ていこう。

[1]タブー
ペニスについて大っぴらに言及したり、ペニスを露出したりする行為は社会的なタブーである。それは、ペニスが泌尿器であり、そして生殖器でもあるからだ。我々ヒトの社会では、排泄や性行為は極めてプライベートに秘されるべきものとして扱われ、それらは公共空間から排除される。
男児達は、ペニスの生殖器としての側面こそは知らないが、ペニスの露出が社会的タブーであることは認識している。ペニスはタブーの対象であり、ペニスをネタにして笑うことはすなわちタブーに対する反逆である。そう、Rock 'n' Roll、それが男の生き様なのだ......。

[2]形状
しかし、タブーというだけではペニスの面白さを十分に説明したことにならない。私が思うに、ペニスは尻や尿や乳房やヴァギナよりも面白い(*1)。ついでにいえば、同じペニスであっても面白いときと面白くないときがあると思う。少し想像してみてほしいのだが、勃起したペニスと比べて勃起していないペニスの方が面白いと感じないだろうか。少なくとも私はそう感じる。ここから分かるのは、ペニスの面白さにはペニスの形状が大いに関係しているということだ。
勃起していないペニスは、柔らかく、ふにゃふにゃとした触り心地であり、だらんと下を向いている。眺めているとこちらまで気が抜けてしまいそうだ。要するに、ペニスはしゃんとしていない。この点だけを取り出せば、ペニスにはロックのステージよりもむしろ阿片窟の方がよく似合う。男性器と称されながらも、そこにあるのは「ますらをぶり」というより「たをやめぶり」な姿である。これは相当なギャップといえよう。「柔らかい棒状のもの」という特徴から感じ取れるだらしなさ、それがペニスを語る上で非常に重要なのである。

以上の考察から、ペニスの面白さは「張り詰めた禁忌を破った先に垣間見える、弛緩しきっただらしなさ」にあるとまとめることができるだろう。つまり、真面目な会議の中に一人酒を飲んでダラダラしている人がいるだとか、北朝鮮の軍事パレードなのにみんながタコみたいにふにゃふにゃ歩いているだとか、そういった類の面白さだ。
ともすれば規則で雁字搦めにされ、ピシッとした「正しさ」に縛り付けられてしまいがちな現代の社会。私には、ペニスの在り方はそういった行き過ぎた真面目さに反逆し警鐘を鳴らしているように見える。人々を凝り固まった緊張から解きほぐし、心に柔らかな余裕(*2)を与えてくれる、そんな社会の潤滑油のような存在がペニスだといえるのではないだろうか。

(*1)陰嚢と大便だけはペニスに匹敵するほど面白い。
(*2)話は少々飛躍するが、この「柔らかさ」こそが生命の本質であると思う。生命システムは、外界の環境から受け取った刺激に応じて体内環境を一定に保つという恒常性を備えている。この生命の頑健なシステムを可能にしているのが、生命の持つしなやかさ、すなわち可塑性である。生物は、結晶と違って柔らかい。その柔らかさこそが生き物が生き物であるために重要なのだ。ペニスに対する言及は社会的に忌避されがちであるが、ペニスは生殖と代謝の両面から生命の本質に深く関わっている器官である。ペニスは、生命にとってあまりにも本質的であるがゆえに、社会からタブー視されている。しかし、我々が何者であるのか、生命の何たるかを考える上では、ここを避けて通ることはできないはずだ。そう、私がこうしてペニスについての記事を執筆したのも、生命の本質を探求する思索の旅の一環なのであって、決してただ単にペニスと言いたいだけというわけではないのである。ペニス。

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