2020年11月7日土曜日

媚薬を撒く加湿器

少しだけ性的かもしれないので、この記事はPG-12指定とする。

秋が来た。
秋が来れば、次に来るのは冬である。前門の虎、後門の狼みたいなものだ。ちょっと違うかもしれない。それは私には判断がつかない。とにかく、秋の次は冬である。
私は暑いより寒い方が好きであるから、気温が低いこと自体はまあよいと思う。問題は乾燥(*1)だ。湿度が下がると鼻の粘膜が乾いてガビガビになる。これが痛くて痛くてしようがない。今年こそは鼻粘膜ガビガビ人間から脱却したい。これが今年の抱負である。今年も残り2ヶ月になったが今決めた。

というわけで、加湿器を買ってきた。調べてみると、加湿の仕方にも色々方式があるらしい。私はお湯を沸かして加湿するタイプのものを購入した。これが一番衛生的だろうと思ったからだ。やはり加湿の効果はあるようで、今のところ鼻粘膜の調子は例年より良い。
さて、この加湿器だが、アロマオイルの受け皿がついている。受け皿にオイルを垂らすと、蒸気と一緒にアロマの香りが部屋に満ちていくという寸法だ。なるほど面白い仕掛けである。

というわけで、アロマオイルを買ってきた。ユーカリやラベンダーなどが入った1000円のセットだ。使ってみると、スッと爽やかな香りがして心地いい。これはいい買い物をした。
このことを友人に話すと、イランイランというアロマを紹介された。なんでも催淫作用があるとかで、古来から媚薬として重宝されてきたらしい。是非買って感想(*1)をブログに書いてくれ、と強いリクエストを受けた。
媚薬か。そういえば、普段の催眠音声体験を更に気持ちよくはできないものかと考え、マカのサプリを買ってきたことがあった。効果のほどはよく分からなかった。また、私は時々養命酒を飲んでいるが、最初に養命酒を飲み始めたのもインヨウカク(*2)が目当てだった。インヨウカクの力かどうかはさておいて、体が温まってリラックスできるという意味で、養命酒は催眠音声に対して割と効果があったと思う。
それでは、イランイランとやらの実力は一体全体いかほどなのだろうか。試してみるのも面白そうだ。

マカと養命酒

というわけで、イランイランの精油を買ってきた。折角だからアロマの勉強もしてはどうかと唆されて、メルカリでアロマテラピー検定の参考書も買ってきた。段々自分が何をやっているのか分からなくなってきたが、それはこの際気にしない。アロマオイルの生理的作用に関する実験的検証を通じて、私は科学の発展に貢献するのだ。

アロマテラピー検定の参考書と3種類の精油

参考書をパラパラめくるのも程々に、早速イランイランの精油を使ってみた。ふむ、確かにエキゾチックな香りがする。それでは布団に潜って、催眠音声を聞いてみよう。

バタン。突然、自室のドアが開いて隣室から母が現れた。
「何この匂い?」
母は怒っていた。匂いが隣室や階下まで漏れている、匂いがキツい、匂いが嫌い、という主張だった。

部屋に母が入ってくるとあっては催眠音声どころではない。これは自分以外誰もいない部屋に1人籠もって聞くものなのだ。仕方がない、実験は中止である。私は加湿器のスイッチを切って、部屋の窓をしばらく全開にすることにした(*3)。

イランイランの催淫効果がどれほどなのかは結局今でも分からない。ただ一つ今の私に言えるのは、鼻粘膜を健やかに保つ上で加湿は有効な方法のようだ、ということだけである。


(*1)「かんそう」と打ち込んだところ、予測変換で「感想」「乾燥」より先に「乾燥大麻」が出てきたのでびっくりした。そんな単語を教え込んだのはどこの誰だ。
(*2)養命酒の原料に使われている生薬の一つで、漢字では「淫羊霍」と書く。「淫」の字の通り、催淫作用があるとされる。
(*3)11月の夜ともなると流石に寒い。窓を開けている間はリビングにいた。

0 件のコメント: