2023年4月20日木曜日

研究室ランチミーティング

今日は研究室のランチミーティングがあった。この4月にM1生とD1生が入ってきたので、その歓迎会だという。外でレジャーシートを敷いてピザを食べることになった。
昼前になった。外に出て準備をする時間だが、一人の院生が遅れていた。中国から来た新D1の留学生、つまり歓迎される側の人である。そこで、私以外の院生が外で準備をして、私が一人で院生居室に待機することに決まった。
待機していると、外でレジャーシートを敷いていた院生から電話がかかってきた。曰く、「レジャーシートが風で飛ぶから、何か重しを持ってきてほしい」とのことだった。研究室を見渡して重しになりそうなものを探したところ、扇風機が目に入った。留学生の人と私で一台ずつ持っていけばいいだろう。
数分すると、留学生の人が走ってきた。「Don't worry. You don't have to hurry. I was told to bring something heavy. The sheet may fly away.」と言って、留学生の人に扇風機を一台持たせた。私も扇風機を持って、二人でエレベーターに乗って降りた。

建物を出てしばらく彷徨っていると会場に着いた。「重し持ってきたで」と言うと、扇風機を持っていたのが面白かったらしく、皆に笑われた。「コンセントに刺さないと扇風機が動かないことも知らないバカの集まりだと思われる」という話である。だからといって他に重しになりそうなものは本くらいしかなかったし、教科書を外に持っていて汚れたら嫌だ。一体何が正解だったのかわからない。
とはいえよくよく考えてみると、重しを持ってこいと言われて扇風機を持ってくるのは変かもしれない。今になって思うと、留学生の人も内心変だと思っていたのではないか。留学生の立場に立ってみれば、歓迎されると聞いて研究室に来たら何故か扇風機を渡されたのである。どう考えても変だが、これが日本の文化なのか、何なのか。相手の英語力は終わっているが、日本語で抗議する方法もわからない。気の毒でならない。私のせいか。反省します。

今日は日差しも柔らかく、外は風があって心地よかった。風のおかげで、扇風機は電源を繋いでもいないのに羽根がくるくる回っていた。なんともいえない可笑しさがあった。

2023年4月10日月曜日

採血

血液検査をすることにした。といっても何か具体的な症状が生じたわけではなく、あくまで確認のためである。
少量の採血で済む内容であれば、わざわざ病院に行かなくても郵送で検査できるという。申し込みから数日経つとキットが届いた。開封したところ、中にはランセットという器具が入っていた。これを指先に押し当てながら作動させると一瞬針が飛び出て、指先に小さな傷を作ることができる。この傷からの血を採取して郵送するということだった(*1)。

ランセットは3本入っていた。一度針を出すと、もう二度と針を出せない仕組みになっている。つまりチャンスは3回きりということだ。試しに一本使って左手の薬指に針を打ってみたが、これがなかなか難しい。血が出ないのだ。正確には、出るには出るがすぐに止まってしまって血が足りない。血液量が指示されたところまで届かないと、検査ができないかもしれない。
説明によると、採血前に血行を良くしておく必要があるらしい。そこで、洗面器に40度のお湯を張り、そこに5分手を浸して、手のマッサージをした。その上で2本目のランセットを取り出し、左手の中指に針を打った。

血が出ない。正確には、出るには出るがすぐに止まってしまって血が足りない。次のランセットが最後のチャンスだ。なんとしてでも血を出して、検査機関に私の血の味を教えてやらねばならない。
とにもかくにも血行である。血行を良くしたい。いくら高校時代の成績が良くても今の血行が悪ければ意味がない。アメリカの法制度でサマリア人がよいとされているのも、サマリア人の血行がよいためである。
こうなったら筋トレをするしかないだろう。プランク30秒を3回にスクワットを100回だ。洗面器に46度のお湯を張り、ひいひい息を切らしながら手をひたす。これが本当の血の滲むような努力かと独り言を言いつつ、3本目のランセットで左手の人差し指に針を打った。

......血が出ない。正確には、出るには出るがすぐに止まってしまって血が足りない。血の気が引いた。翁、嫗、血の涙を流して惑へど、かひなし。こんなに血行が悪いのでは、血祭りへの参加資格も血で血を洗う争いへの挑戦権も剥奪だろう。
ランセットはもうない。もうリスカするしかないのか。カッターナイフはないが包丁ならある。いや、包丁は豚肉やら鶏肉やらを切っていて汚そうだ。

結局カスタマーセンターに電話することにした。すると、「量が足りなくても検査できるかもしれないので、とりあえず送ってみてください。無理だったら無理だったでまた連絡します」という旨のことを言われた。そこで、大人しく包丁をしまい、採れた血をそのまま送りつけることにした。
数日すると結果が届いた。無事検査できたようで、全ての項目で異常なしとなっていた。

こうして血液検査をやってみて思ったのだが、超てんちゃん(*2)がリスカしていたのも血液検査のためだったのではないだろうか。自傷癖よりそっちの方が面白いから、そうであってほしいものである。

(*1)言葉だけでは説明しにくい。詳細は「ランセット 採血 自宅」などのワードで検索してほしい。
(*2)超てんちゃんはNEEDY GIRL OVERDOSEというゲームに登場するキャラクターで、"メンヘラ"の美少女である超てんちゃんを配信者として育成していくのがゲームの目的である。NEEDY GIRL OVERDOSEは昨年遊んだのだが、1回目のプレイでは超てんちゃんを病院や公園に何度も連れて行きつつ睡眠時間をたっぷり確保させた結果、速攻でゲームオーバーになってしまった。メンヘラのはずの超てんちゃんがあまりにも健康になってしまったのである。

2023年4月9日日曜日

上北沢「北沢湯」

疲れが溜まってきたので、銭湯に行くことにした。普段は表参道の清水湯に行くことが多い。清水湯には人工炭酸泉があるからだ。ぬるいお湯なのに、浸かっているうちにじんわりと温まる不思議な感覚の炭酸泉が好きなのである。
調べてみると、上北沢にも炭酸泉があるらしい。下北沢駅から上北沢駅は電車で15分もかからないようだ。これなら表参道と大して変わらないし、気分を変えてこちらに行ってみることにした。

夕方の17時頃、上北沢駅から歩いて北沢湯に着いた。昔ながらの銭湯といった印象の外装に反して、中は広々としていて綺麗だった。
早速お風呂に入ってみた。清水湯と違ってシャンプーとボディソープの貸し出しがあり、便利である。炭酸泉に入っていると、体に炭酸ガスの気泡がついてぽかぽかしてきた(*1)。気持ちがいい。これを求めてやってきたのだ。
しばらくすると、子供が入ってきてアヒルのおもちゃで遊び始めた。気泡が逃げるやろこのガキが、小僧はとっとと帰って親御さんの温かいメシでも食ってろやと思いつつも、特に何も言わずゆっくり入っていた。彼の実際の夕食は冷製スープとか膾とかかもしれないからである。平壌冷麺の可能性も高い。

お風呂から上がった後は、上北沢にあるらぁめん小池という店でラーメンを食べた。ラーメンと平壌冷麺は、味も違うが温度も違う。ラーメンは平壌冷麺と違って温かい。共通しているのは麺類というくらいだ。
ラーメンは麺も温かく、そのうえ器も温かいのだが、特に温かい部分といえばスープだろう。スープをレンゲですくって飲んでみると、温かさとともに上品な旨みが舌に広がった。煮干しの旨みをしっかりと引き出しつつも、苦味を抑えてあっさりとまとめられたとても美味しいスープである。なめらかな麺との相性も抜群で、絶賛されるのも納得の一杯だった。

らぁめん小池のラーメン

北沢湯は、時々熱い湯が湧いて出て温度ムラが生じるのが気になった(*2)ものの、それ以外は大満足の銭湯だった。らぁめん小池の他のメニューを注文するためにも、今後も時々上北沢に行ってみようと思う。表参道の食事は概して高く、いつも蕎麦きりみよたにしか行っていないのだ。

(*1)ぽかぽかといえばはなまるスキップである。はなまるスキップは面白かった。
(*2)清水湯でもあるが、北沢湯より抑えられている。

2023年4月4日火曜日

超特価!たまたまきんかん

下北沢の道を歩いていて驚いた。


スーパーの店先できんかんが売られているのだが、先日まで「超特価!たまたま」だったところが「超特価!たまたまきんかん」になっていたのだ。これはどう解釈すれば良いのだろうか。「超特価!たまたま」は流石に、とクレームが入ったのかとも思ったが、変えた先も「超特価!たまたまきんかん」なのである。そことそこを連続させるのか。何か意図的なものを感じなくもない。
そこで、に相談することにした。こういう問題を議論するなら、やはり相手は奥だろう。画像を送って「ふざけすぎだとクレームが入ったのか、それともよりふざけたのか、どっちだろうか」と尋ねたところ、「ふざけてんのはこの名前をつけた生産者では」という回答とともにURLが送られてきた。


そこで私は衝撃を受けた。「たまたまエクセレント」!?「たまたま」の上位の「たまたまエクセレント」があるというのだ。「完熟きんかん最高峰 たまたまエクセレント」の文字が大きく表示されている部分のインパクトがすごい。

いや「たまたまエクセレント」て。私は画面に表示された「たまたまエクセレント」の文字列を眺めながら、奥に相談してよかった、としみじみと満足感に浸った。