今回のルールは次の通りである。
(1) 北が[1]を執筆する。
(2) 北が[1]をAIに読み込ませ、続きを出力させる。
(3) AIが出力した部分を[2]とし、[2]だけを私に手渡す。
(4) 私は[2]だけを読んで、続きの部分[3]を書く。
(5) 私が[3]だけをAIに読み込ませ、続きを出力させる。
(6) AIが出力した部分を[4]とし、[4]だけを北に手渡す。
(7) 北が[4]だけを読んで、続きの部分[5]を書く。
(8) これを繰り返して[11]で終幕とする。
それでは、こうしてできた小説を発表しよう。タイトルは『現在の温度は変換器』だ。
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小説『現在の温度は変換器』
[1]
未来からやってきた奴によれば、あと数百年後の未来では地球全体の気温をコントロールできる技術が開発されているらしい。その日の気温というのはあらかじめ決定されており、それに従った気温が出力されているのだという。何でもこれは先進国の人類が極端に狭い地域に密集して生活することによる資源バランスの崩壊をやわらげる為に発案されたものということで、世界の気温をコントロールする計画は今からおよそ40年後から表立って進行し始めるそうだ。
[2]
その話を聞いたとき、俺は「ああそうですか」としか思わなかったし、恐らくほとんどの人が同じ感想を抱いたことだろう。だがしかし、今現在の世界はどうだろうか? 例えばこの温暖化問題にしても、実際に起こっていることと計画されていることは随分違うのではないかと思うのだ。そしてそのズレが現在世界を蝕んでいるのではないかと……。俺達は本当に正しい選択をしているのか? そもそもこの温暖化対策は必要なものなのか? 答えはわからない。でも少なくともこの計画を進めることが人類の為になるとは思えないのだ。
その話を聞いたとき、俺は「ああそうですか」としか思わなかったし、恐らくほとんどの人が同じ感想を抱いたことだろう。だがしかし、今現在の世界はどうだろうか? 例えばこの温暖化問題にしても、実際に起こっていることと計画されていることは随分違うのではないかと思うのだ。そしてそのズレが現在世界を蝕んでいるのではないかと……。俺達は本当に正しい選択をしているのか? そもそもこの温暖化対策は必要なものなのか? 答えはわからない。でも少なくともこの計画を進めることが人類の為になるとは思えないのだ。
[3]
「山口大臣、果たして炭素税導入で地球温暖化を防止することができるのでしょうか」
野党第一党、立憲民主党から初当選を果たした俺は、環境大臣山口壮に対してそう率直な質問を投げかけた。しかし山口大臣が答弁台に立とうすることはなかった。代わって現れたのは、なんと前環境大臣の小泉進次郎だった。彼はマイクの前に立ってこう言った。
「炭素税を導入するということは、二酸化炭素の排出に対して税金を課すということです」
「山口大臣、果たして炭素税導入で地球温暖化を防止することができるのでしょうか」
野党第一党、立憲民主党から初当選を果たした俺は、環境大臣山口壮に対してそう率直な質問を投げかけた。しかし山口大臣が答弁台に立とうすることはなかった。代わって現れたのは、なんと前環境大臣の小泉進次郎だった。彼はマイクの前に立ってこう言った。
「炭素税を導入するということは、二酸化炭素の排出に対して税金を課すということです」
[4]
場内がざわついた。このタイミングでなぜ小泉進次郎が?
「炭素税の導入によって温室効果ガスの削減効果はあるのか?」という俺の問いに対する明確な答えを誰も持っていなかった。しかし、小泉進次郎は「もちろんです!」と力強くうなずいた。
場内がざわついた。このタイミングでなぜ小泉進次郎が?
「炭素税の導入によって温室効果ガスの削減効果はあるのか?」という俺の問いに対する明確な答えを誰も持っていなかった。しかし、小泉進次郎は「もちろんです!」と力強くうなずいた。
[5]
「適当な事ぬかしてんじゃねえぞ!」
「もうそれがウケるターンも終ってんだよ!」
観衆が口々に小泉進次郎を非難する。思った以上にみんな強い口調で非難する。たしかに薄いこと言ってるとは思うけど、え、そこまで言う?ってくらいの単語も飛び交っている。いつの間にか取材のテレビカメラも入ってるけど大丈夫なんだろうかこれ。
「適当な事ぬかしてんじゃねえぞ!」
「もうそれがウケるターンも終ってんだよ!」
観衆が口々に小泉進次郎を非難する。思った以上にみんな強い口調で非難する。たしかに薄いこと言ってるとは思うけど、え、そこまで言う?ってくらいの単語も飛び交っている。いつの間にか取材のテレビカメラも入ってるけど大丈夫なんだろうかこれ。
[6]
しかし、その罵声の中を―― 「まあまあ皆さん」 と涼しい顔で進み出てきたのは――
「私は小泉進次郎です。このたび総理に就任いたしました」
……そうだった。この人総理大臣になったんだった。
しかし、その罵声の中を―― 「まあまあ皆さん」 と涼しい顔で進み出てきたのは――
「私は小泉進次郎です。このたび総理に就任いたしました」
……そうだった。この人総理大臣になったんだった。
[7]
あーあ。なんてこった。世も末だよ。安倍晋三ならまだ批判しがいがあったというものを。俺はなんていう時に衆議院議員になってしまったんだ。自分の運のなさを呪いたい。
進次郎は言った。
「東北大学で、気温を変換するマシーンが開発されたという報道を聞きました。この変換器と炭素税導入で、必ず日本は、いや、世界は救われる!フロムジャパンの技術で、日本からクールに地球を守っていこうではありませんか!これが私の掲げるマニフェスト、クールジャパンの真の意味なのです」
河野太郎も立ち上がり、捕捉する。
あーあ。なんてこった。世も末だよ。安倍晋三ならまだ批判しがいがあったというものを。俺はなんていう時に衆議院議員になってしまったんだ。自分の運のなさを呪いたい。
進次郎は言った。
「東北大学で、気温を変換するマシーンが開発されたという報道を聞きました。この変換器と炭素税導入で、必ず日本は、いや、世界は救われる!フロムジャパンの技術で、日本からクールに地球を守っていこうではありませんか!これが私の掲げるマニフェスト、クールジャパンの真の意味なのです」
河野太郎も立ち上がり、捕捉する。
[8]
「その通りです。炭素税の導入が、日本経済を救うのです!」
会場からは拍手が起こる。
「さて、ここでみなさんに質問です。あなた方は今、炭素税を導入しようとしています。しかし、本当に炭素税を導入するべきなのでしょうか?炭素税とは、石油から取れる油粕のようなものです。石油からしか取れないものは他にもあるでしょう?」
会場中を見渡す。誰もが口をつぐんでいる。
「その通りです。炭素税の導入が、日本経済を救うのです!」
会場からは拍手が起こる。
「さて、ここでみなさんに質問です。あなた方は今、炭素税を導入しようとしています。しかし、本当に炭素税を導入するべきなのでしょうか?炭素税とは、石油から取れる油粕のようなものです。石油からしか取れないものは他にもあるでしょう?」
会場中を見渡す。誰もが口をつぐんでいる。
[9]
《すみません、長いしよくわかりません》 突然、彼の背後に表れたアレクサ搭載戦闘サムライロボットが、だらだらと話し続ける小泉進次郎の胴体を日本刀で真っ二つに切り裂いた。 《彼にこの国を、世界の一端を担わせるようなあなたたちに、経済の、環境の問題を解決することは出来ません。あなた方が行うべきは、これから説明するエネルギー変換の理論をもとにした室温調整装置の開発です。》
《すみません、長いしよくわかりません》 突然、彼の背後に表れたアレクサ搭載戦闘サムライロボットが、だらだらと話し続ける小泉進次郎の胴体を日本刀で真っ二つに切り裂いた。 《彼にこの国を、世界の一端を担わせるようなあなたたちに、経済の、環境の問題を解決することは出来ません。あなた方が行うべきは、これから説明するエネルギー変換の理論をもとにした室温調整装置の開発です。》
[10]
「なっ……」
その言葉に愕然とする人々を置き去りにして、画面が切り替わる。 映し出されたのは、巨大な円筒形の物体だった。 その表面には無数のパイプやケーブルが取り付けられており、それが天井に向かって伸びている。
《これは現在研究中の常温核融合炉、通称『ヘリオス』と呼ばれるものです。これのエネルギー変換効率は現在30%ほど。しかし、これを100%まで引き上げることが出来れば、この国は石油も石炭も必要としなくなります。》
「なっ……」
その言葉に愕然とする人々を置き去りにして、画面が切り替わる。 映し出されたのは、巨大な円筒形の物体だった。 その表面には無数のパイプやケーブルが取り付けられており、それが天井に向かって伸びている。
《これは現在研究中の常温核融合炉、通称『ヘリオス』と呼ばれるものです。これのエネルギー変換効率は現在30%ほど。しかし、これを100%まで引き上げることが出来れば、この国は石油も石炭も必要としなくなります。》
[11]
これが東北大学の変換器だというのか。噂には聞いていたが、姿を見るのは初めてだ。その威容に俺は圧倒される。もはや立憲民主党にできることなど何もない。人類の運命はヘリオスに委ねられたのだ。現在の気温も、未来の気温も、ヘリオスが、ただヘリオスだけが知っていた。
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[6]の小泉進次郎が再登場するところが、小説の中での動き方まで小泉進次郎的で特に面白かった。これは数あるキャラクターの中でも小泉進次郎にしかできない立ち回りだと思うし、AIでないとそうそう思いつかない進次郎の活躍のさせ方だと思う。「私は小泉進次郎です」の一言でこんなに面白いのは衝撃的だった。またやりたい。
これが東北大学の変換器だというのか。噂には聞いていたが、姿を見るのは初めてだ。その威容に俺は圧倒される。もはや立憲民主党にできることなど何もない。人類の運命はヘリオスに委ねられたのだ。現在の気温も、未来の気温も、ヘリオスが、ただヘリオスだけが知っていた。
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[6]の小泉進次郎が再登場するところが、小説の中での動き方まで小泉進次郎的で特に面白かった。これは数あるキャラクターの中でも小泉進次郎にしかできない立ち回りだと思うし、AIでないとそうそう思いつかない進次郎の活躍のさせ方だと思う。「私は小泉進次郎です」の一言でこんなに面白いのは衝撃的だった。またやりたい。
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