10月8日は横浜育ちの友達である丸子橋に横浜を案内してもらっていた。横浜に来るのはおくと遊んだとき以来である。
まずは横浜中華街の
萬珍樓本店に行った。適当にお茶を注文したらマリモのようなものが来た(写真1)。マリモってこんな味なのかと思いながら飲んだ。
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写真1 北海道で買えるマリモのお土産 |
丸子橋には予めコース料理を予約してもらっていた。いろんな料理が来て美味しかった(写真2)。
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写真2 いろんな料理 |
メニュー表を見て五言律詩のようだと思った。7品だったので一見律詩に足りないようだが、「横浜中華街」まで含めるとちゃんと8句になる。句の末尾に「盆」という同じ漢字が繰り返し登場しているので、よくわからないが押韻もできているのではないだろうか。
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写真3 東大 |
特に印象的だったのは、「春風海鮮盆」こと海老の柚子ソースと白身魚のチリソースの2種盛りだ(写真3)。柚子ソースとチリソースなので、つまり
ゆずチリ先生であり、
漫画学科のない大学である。よって実質的に東大だと言える。味はよく覚えていないが、柚子の味とチリの味がして美味しかった気がする。
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写真4 酢豚 |
コース料理には含まれていなかったが、点心と酢豚も頼んだ。点心に関しては、私が肉焼売を、丸子橋が海老の包み揚げを希望したので、間をとって海老焼売にした。酢豚は、豚肉にしっかりと餡が絡んでいるのに衣はザクザクした食感を保っていた(写真4)。このような酢豚は食べたことがなく、素晴らしいテクニックだと思った。
コース料理の終盤、丸子橋が「お腹いっぱいになってきた」と言った。それは私も同感だった。しかしまだチャーハンとテザートが残っていた。私が「俺たちが7年間かけて積み上げてきた絆の力......。この友情パワーでどんな壁でも乗り越えてみせる」と言ったところ、「うさんくさい......」と言われた。
かくしてチャーハンとデザートは食べ尽くされた。
次に
悟空茶荘に行った。私はライチ茶に白玉を浮かべたおやつと、プーアル茶を注文した(写真5)。私はプーアル茶を飲んだことがなく、もっと飲みにくいものかと思っていたが、飲んでみると意外に美味しかった。
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写真5 お茶など |
ここでは、確かこんな会話をした。
私「この前旅行行っとったみたいやけど、どこ行ったんやったっけ?」
丸子橋「まず新潟に行って、次が北陸。大阪から湯村温泉と城崎温泉に行って帰ってきた。普段は松山に行ってしまうからなかなか北陸には行けないのだけど、松山に行かないことでようやく北陸に行けた」
私「新潟って何があるんやっけ?米?」
丸子橋「米は確かにあるけど......ジオパークに行ってきたよ。糸魚川の」
私「ああー、構造線。何やっけ.......」
丸子橋「イトシズだから、糸魚川-静岡構造線」
私「それそれ。ブラタモリで見た。タモさんがよく言うとるよな。そういえばブラタモリ最近録画できてなくて見れてないわ」
丸子橋「なんで?」
私「録画のストレージがパンパンで......」
丸子橋「何が入ってるの」
私「うーん。俺1年生の時イタ語クラスやったんやけど、そのとき録った「テレビでイタリア語」がまだ見ずに残ってる」
丸子橋「それはもう見ないでしょ」
私「あとは途中で止まっているアニメとか。
「ダンベル何キロ」は筋トレしながら見ようと思っていたんやけど、エロすぎて筋トレどころじゃなくなるから止まってる。後は
ヤマノススメ3期。主人公の陰キャが生々しすぎてつらくなるから、カラオケの話より先が見られてない」
丸子橋「確かにちょっと重いかも......。
ぼっち・ざ・ろっく!くらい突き抜けていればいいけど」
私「ぼざろのアニメ楽しみや」
旅行の話がどこかに行ってしまった。
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写真6 禅 |
お茶をたくさん飲んでいたらトイレに行きたくなってきた。お茶をたくさん飲んだせいでトイレに行きたくなるなんて、まるで
けいおんの2期23話だなあと思いながらトイレに行くと、「禅」があった(写真6)。なんだか可愛い女の子が出てくるアニメのことばかり考えていたのを戒められたような気分になった。
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写真7 右翼 |
次は北朝鮮の工作船展示に行くことにした。中華街から歩いていると、右翼が「国賊の暴力集団である日本共産党は滅ぼさねばならない」と大声で主張していた(写真7)。そのときは「そんなことわざわざ言わんでも、日本共産党に投票するような人なんてそもそもほとんどおらんやろ」と思っていたが、帰宅してからよくよく考えてみると
私がその人だった。あそこで演説していたおかげで主張を届けるべき人に届けられたわけで、右翼の人も満足だったかもしれない。
そうこうしていると北朝鮮の工作船展示に到着した(写真8)。普段見ることのできない本物の銃火器を見られて良かった。ロケットランチャーまで搭載されていたのは驚きだった。居住区画を極限まで削った代わりに兵器がたくさん積まれていて、予想以上に攻撃的な船だと思った。
この工作船は日本の海上保安庁と撃ち合いになった末、自爆して沈没したものだそうだ。その自爆スイッチも展示されていた。自爆スイッチなんてフィクションの悪役が載るロボットにしか搭載されていないと思っていたので、本物を見ることができ興奮した。
また、船から発見された食料品も展示されていた。どこから入手したのか、日本で作られた缶詰も含まれていた。この缶詰をお土産として売ってほしいなと思った。
丸子橋は小学生の頃友達とここに来たことがあったそうだ。私が「さすがハマっ子。小学校の頃は子供だけで校区の外に行ったらあかんって先生に言われとったんやけど、俺の校区は信号機が合計で何本あるねん、10ヶ所くらいか、みたいな感じのところやった。北朝鮮の工作船なんてなかったから、都会の横浜育ちの人が羨ましいわ」と言ったところ、「そんな各自治体ごとに北朝鮮の工作船があっても困るけどね」と言われた。そりゃそうだ。
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写真8 北朝鮮の工作船 |
最後に蒲田駅から
はすぬま温泉に行った。丸子橋行きつけの銭湯である。私は蒲田駅が怖くて一度も行ったことがなかったが、いざ蒲田駅に降りてみると駅と目と鼻の先のところに
ユザワヤがあることが分かったため、まあユザワヤがあるなら大丈夫かと安心した。
はすぬま温泉は源泉掛け流しの天然温泉が魅力の店だ。500円でこんなにいいお湯に浸かっていいものかと思うくらいいいお湯だった。私が大好きな炭酸泉もあったのが嬉しかった。道後温泉を意識したという内装もとてもオシャレで綺麗だった。
蒲田駅で丸子橋と別れることになった。蒲田駅前で、丸子橋に「もう蒲田怖くなくなった?」と尋ねられた。私は「うん」と答えたが、そこに歩行者なんて邪魔だ邪魔だと言わんばかりに目の前を暴走自転車が通り過ぎていった。私は「やっぱり怖い」と言い直した。いくらユザワヤがあるとはいえ、私がはすぬま温泉に行くことはもう二度とないかもしれない。
この日は一日中遊んで楽しかった。
遊んでいる最中、丸子橋に「今度青森に行こう」と誘われた。私は青森県に行ったことがない。青森県というと、
弘前に松屋があるということだけは知っているが、松屋以外に何があるのかは全然知らない。青森県に行って何をするのか、青森県に行くとどんないいことがあるのか、全くもってわからないまま、とりあえず「いいね。行こう」と即答しておいた。彼が提案する場所なら、きっと面白いところに違いないからだ。今から楽しみである。