2022年11月25日金曜日

福岡県福岡市

学会に出席するため、福岡市に出張に行ってきた。出張中は、主に西部の大濠公園〜西新地域に滞在していた。少しだけだが観光もできたので、今回は福岡市で見つけた色々なものをレポートしていこうと思う。


まずは九州北部に展開するローカルなスーパー「マミーズ」に行ってきた。ローカルなスーパーには地域性が現れやすく、面白い。この他にもスーパーを数店巡った。気が付いた点を総合すると、以下の通りである。
  • 鮮魚コーナーに占める明太子コーナーの割合が大きい。東京の同規模スーパーの3倍くらい種類がある。
  • 「さらしくじら」という見たことのない商品があった。九州北部は鯨肉の消費量が多いそうだ。
  • 長崎産「ヒラス」の刺身がある。
  • 精肉コーナーにもつ鍋用のホルモンがたくさん並んでいる。
  • 醤油コーナーで最も目立っているのは、「濃口」でも「薄口」でもない、謎の「旨口」である。醤油は大体旨い気がするが、これは一体何なのだろう。メーカーは「マルヱ」「ニビシ」が多い。
  • 鍋用の出汁に久原の製品が多い。特にとんこつスープが最も目立つ位置にある。
  • 大豆製品のコーナーでは、東京での「栃尾のあぶらげ」のポジションに「南関あげ」が鎮座している。
  • 11月でも豆腐の隣に冷や汁の出汁が置いてある。
  • 牛乳の産地は熊本県が多い。

商店街には鯨肉の専門店まであった。東京でも京都でも見たことがない。


福岡は個人商店でもPayPayの普及率が高い印象を受けた。商店街としてもPayPayが使える店をアピールしているようだ。


商店街に「油屋」という店があった。千と千尋の神隠しと関係があるのかと思ったが、よく見るとsince 1890とある。違っていそうだ。


「ゴッドハンド大濠」もあった。見えない手で施術されるのかもしれない。濁点がピンク色になっているが、「濠」のさんずいもピンクになっている点が良い。氵ってそういう扱いだったのか。


「千鳥饅頭」が「チロリアン」になるのは興味深い。洋風に発音するとdがrになるのだろうか。「アン」が付くのは数学者ヤコビに対するヤコビアンのようなものとも考えられる。


「うどん」の文字が中途半端に残っている。濁点なんて簡単に剥がれそうなのに、意外としぶといものだ。


居酒屋にいきなり小言を言われた。しかも「笑売中」と書いてある。笑顔で商売されているようで何よりである。


一文目と二文目の文体が違いすぎる。


「不正駐車」ではなく「不正脱出」なのがデスゲームっぽくていい。逃すものかという気迫を感じる。


面白雑貨地区というからには、当然面白いに違いない。


「特別日開催スケジュール」なんて言われるとラッキーイベントなのかと思ってしまうが、その実態は料金が高い日である。しかも4倍高い。これに「開催」という単語を使える言語感覚は見習っていきたい。

福岡といえば食事が美味しいことでも有名である。私も色々なものを食べたが、確かに美味しかった:

博多ラーメンももつ鍋も食べていないのかよ、という指摘はあると思う。

その点は今後の検討課題とさせていただきます。

2022年10月23日日曜日

カニクリームコロッケ

[前回のあらすじ]
Twitterのスペース機能を使って最近の出来事について一人で話していたが、話題の限界に到達したため、リスナーの人に話し相手になってもらうことにした。

「サンマが好きなんですね」
私「そうやね。Twitterのヘッダもサンマの骨の写真やし。サンマを綺麗に食べるのには自信がある」
「お嫁に行けますね」
私「行けるかなあ。俺お裁縫とか苦手なんやけど、サンマを食べるのが得意というその一点だけで評価してもらえるやろか」
「今は裁縫する機会も少ないですから、大丈夫ですよ。子供ができたらゼッケンを縫い付けたり、雑巾を縫ったりするかもしれませんが」
私「どっちも無理や......」
「玉入れのたまとか」
私「玉入れのたま、業者のやつじゃなくて親御さんが手作りしてたん?重さバラバラになりそうやな」
「多少バラついても玉入れには使えますから」
私「そうやな。人が力加減調節すればいいもんな。人間なら調節できる。調節できるのが人間や。生き物はそうやってファジイにできている。やったら、俺は一個だけやたら重いの作ろうかな。投げて入ったと思ったら網に穴が開いて全部落ちてくるねん」
「危ないですよ.......。とにかく、お裁縫するくらいなら新しいもの買っちゃいますよね。例えば穴の空いた靴下を縫って直したとしても、他の部分の生地が薄くなっているでしょうし」
私「テセウスの靴下ってね」
「えーっと......」
私「これ意味通じてるかな?『テセウスの船』っていう言葉があって。木造の船があったとして、だんだん木材が傷んでいくやんか。傷んだところからどんどん木材を新しいものに入れ替えていったら、一体どこまで「同じ船」と言えるのだろう?という話」
「分かります分かります。人間の細胞は入れ替わっていくけど、同じ人間と言えるのだろうか、ということですね」
私「そうそう。つまり、もし俺が裁縫得意になってしまったら、こういう哲学的な問題が生じてしまうってこと」
「......」
私「これ話広がらんな」
「元々サンマの話でしたよね」
私「サンマからここまで袋小路に入り込むの、話題の街から迷子になる才能がすごいよな。ダッシュで洞窟の中に来てしまった」
「自分で自分の退路を絶っていたような気がします」
私「背水の陣や」
「迷わないように跡を残しておかないとダメですよ」
私「あー。通った道にブドウとか置いていって」
「パンくず......」
私「パンくずか。ブドウは値段が高すぎるか」
「でもパンくずも全部食べられてしまうのですが」
私「レーズンパンやったらもう尚更やろな。ちぎったのがパンのところやったらパクッ、干しブドウのところはバクバクバクや。干しブドウは美味いからな」

***

「(@tactfully28のメディア欄を見ながら)このアナゴすごいですね。フライパンに収まってない」
私「これすごいよな。骨めっちゃあって食べにくかったけど美味かったわ。スーパーで40%オフのシール貼ってあったから買ったねん。俺このスーパーめっちゃ好き。一回ブリやったかな、うん、確かデカいブリが丸ごと一匹売っとったことがあって。すごかったわ、一人じゃ食べきれんよね」
「ぶりしゃぶパーティーできますね」
私「ぶりしゃぶパーティーいいね。パーティーといえば、5年くらい前にシチューパーティーをやったのを思い出したわ」
「シチューパーティー?」
私「学科の友達とシチューを作ってM-1を見たという、それだけの会」
「楽しそうですね」
私「昼休みに、お湯を注いで作るカップシチューを食べている奴がいて。で、おくっていう友達がおるんやけど、おくが『シチュー好きなん?』って聞いたら、そいつは『大の好物』って答えたんよね。それで、僕とおくが『じゃあシチューパーティーやろう』って。そういう経緯でシチューパーティーが開催されたねん」
「へー」
私「シチューも鍋で作るからね、鍋パがあるならシチューパーティーがあってもいい」
「この前上司に『たこ焼きってシチューみたいだよね』と言われて、どういうことなんだろうと思ったんですが、でも今の話で分かった気がします」
私「何いうとるのその人。たこ焼きとシチューは全然違うやろ」
「関西のたこ焼きって中がとろとろですから」
私「いやー、違うな。その人全然焼かずに液を直飲みしとるんちゃう?シチューじゃなくて、カニクリームコロッケならわかるけど。どっちもカリカリの表面をかじったら、中から小麦粉入りの液と魚介類が出てくる食べ物やから。他の同僚も上司に同じようなこと言われて、『何言うとるんやこいつ』って困っとるかもしれん。裸の王様が生まれる前に、今度上司さんに言うといて。『たこ焼きってシチューというよりカニクリームコロッケですよ』って」

2022年10月22日土曜日

最近の出来事一人語り

Twitterのスペース機能を使って話していた。

私「僕の一人語りを聞いてみたいというリクエストがあったので、今日は頑張ってしばらく一人で話してみようと思います。今日は健診のために病院に行ってちょっとした検査を受けてきました。血液検査と、体組成測定ですね。それで体組成の結果を見せてもらったのですが、筋肉が標準より少し少なくて、脂肪が標準より少し多いと。脚の筋肉は標準レベルについているようなのですが、腕の筋肉がけっこう貧弱だということでした。というわけで、今後はより腕を意識して筋トレを続けていこうと思います。

えー、はい。最近ニンジンにハマっています。人参といっても高麗人参の方ではなく、皆さんご存知か分かりませんが、野菜の方のニンジンがあるわけですね。高麗人参は滋養にいいということで、高麗人参が入っている養命酒をよく飲んでいたのですが、あるとき高麗人参の画像を調べてみたところ、これが茶色くてひょろひょろの根っこだったんです。なんやこれはと。こんな頼りない根っこに本当に栄養があるのかと。一方でスーパーに行ってみると、野菜のニンジンが売られているのですが、これが鮮やかな橙色で、まるまると太く、いかにも栄養がありそうな見た目をしているわけです。それで、こいつは頼り甲斐があるなと人参を買って帰ったんですね。
ところで滋養のある食べ物というとウナギがあるじゃないですか。なんでウナギが滋養にいいとされているのか調べてみたのですが、どうもビタミンAが豊富だからということのようです。脂溶性ビタミンであるビタミンAを、ウナギの脂とともに効率よく吸収できると。でもビタミンAだったら、ニンジンにもβカロテンという形で豊富に含まれていますよね。だったら、ニンジンを油で炒めてやれば、これはもう実質的にウナギを食べたのと同じだけの滋養がつくはずです。そう思って、最近は養命酒の代わりにニンジンの炒め物をよく食べています。ニンジンはとても美味しい食べ物ですから、皆さんもどうかニンジンをよろしくお願いします。

はい。先週の土曜日は下北沢で友達と会っていました。黒川食堂という店に行って昼食を食べたのですが、ここは野菜がウリのお店でして、食べ放題のサラダバーがあるんですね。このサラダバーは素晴らしいサラダバーでして、もう朝ごはんも食べずに、とにかくたくさん野菜を食ってやろうと朝からお腹を空かせていたんです。で、待ち合わせの時間までの間家で筋トレでもしておこうとダンベルを持ったんですが、お腹が空いて何も力が出ませんでした。しおしおとその場にへたり込んで、うずくまってしまって、私が下北沢のツチノコです、と。土曜日の午前はそうやって、友達と会えるのが楽しみなのか空腹の解消を待望しているのか分からない状態で過ごしていました。
昼食の後下北沢をぶらぶらしていたのですが、そうしているとリサイクルショップの店頭にアフリカの太鼓が並んでいるのを見つけました。イス、机、と来て、その隣にアフリカの太鼓ですよ。そんなことありますか?1万円したのですが、視界に入った瞬間これ欲しいなあと思って、立ち止まって逡巡してしまいました。それで「これいいなあ。欲しいなあ」と言ったところ、友達に「家にあったら邪魔じゃね?俺ミニマリストだから、家に余計なもの置かないようにしてるんだよね」と言われたんです。本当にその通りだなと思って、買うのをやめて店を通り過ぎました。

はい。先日、渋谷の映画館に行って四畳半タイムマシンブルースという映画を見てきました。公開終了ギリギリでしたね。元々アニメの四畳半神話大系を見ていて、これが好きだったので四畳半タイムマシンブルースの方も気にはなっていたのですが、なかなか見る機会を作れずにいたんです。でも先週、スペースでフォロワーの方にすすめていただいて、やっと見ることができました。一人で見に行って、あー面白かった、となっても、誰とも話題を共有できなかったら寂しいじゃないですか。それが怖かったんですけど、先週のスペースのおかげでその怖さを解消できて、本当に助かりました。
あと渋谷に行くのが怖いっていう理由もありました。渋谷は人も多いし、ゴミも多いし、汚くて、怖いんですよね。この前中目黒に行くことがあったのですが、渋谷経由で電車に乗れば30分くらいのところ、渋谷が怖いという理由で1時間だかかけて歩いて行ったという出来事がありました。それぐらい渋谷って怖いんですよ。あんなところにいたら横転したトラックの下敷きになって死ぬかもしれませんから。
渋谷の映画館に行ったとき、昼食に大戸屋に行きました。大戸屋本当に好きなんですが、下北沢にはないので、大戸屋に行きたければ渋谷とかに行く必要があるんですよ。大戸屋は渋谷の唯一のオアシスですね。いや、渋谷に二軒あるので、ただ二つのオアシスというべきかもしれない。それで大戸屋に行って、焼きサンマの定食を頼みました。最近はサンマが高くて、スーパーでも5年前は100円台だったのが300円台くらいに上がっているように思います。そんなサンマの定食が大戸屋では1000円くらいで、原価率高すぎちゃうんか、と思いながら食べました。美味しかったですね。僕はサンマを食べることには自信があって、我ながら綺麗に食べたなあと思います。写真を撮ってTwitterにアップしたら15favついてました。これは僕のアカウントとしては結構多いです。食欲も満たせて、承認欲求も満たせて、一粒で二度美味しいとはまさにこのことですね。1000円で二重に満足できました。

あー、もう話すことない。一人ではこれが限界ですね。誰か一緒に話しませんか。たすけて〜」

続く

2022年10月11日火曜日

神奈川県横浜市

10月8日は横浜育ちの友達である丸子橋に横浜を案内してもらっていた。横浜に来るのはおくと遊んだとき以来である。

まずは横浜中華街の萬珍樓本店に行った。適当にお茶を注文したらマリモのようなものが来た(写真1)。マリモってこんな味なのかと思いながら飲んだ。
写真1 北海道で買えるマリモのお土産

丸子橋には予めコース料理を予約してもらっていた。いろんな料理が来て美味しかった(写真2)。
写真2 いろんな料理

メニュー表を見て五言律詩のようだと思った。7品だったので一見律詩に足りないようだが、「横浜中華街」まで含めるとちゃんと8句になる。句の末尾に「盆」という同じ漢字が繰り返し登場しているので、よくわからないが押韻もできているのではないだろうか。
写真3 東大

特に印象的だったのは、「春風海鮮盆」こと海老の柚子ソースと白身魚のチリソースの2種盛りだ(写真3)。柚子ソースとチリソースなので、つまりゆずチリ先生であり、漫画学科のない大学である。よって実質的に東大だと言える。味はよく覚えていないが、柚子の味とチリの味がして美味しかった気がする。
写真4 酢豚

コース料理には含まれていなかったが、点心と酢豚も頼んだ。点心に関しては、私が肉焼売を、丸子橋が海老の包み揚げを希望したので、間をとって海老焼売にした。酢豚は、豚肉にしっかりと餡が絡んでいるのに衣はザクザクした食感を保っていた(写真4)。このような酢豚は食べたことがなく、素晴らしいテクニックだと思った。

コース料理の終盤、丸子橋が「お腹いっぱいになってきた」と言った。それは私も同感だった。しかしまだチャーハンとテザートが残っていた。私が「俺たちが7年間かけて積み上げてきた絆の力......。この友情パワーでどんな壁でも乗り越えてみせる」と言ったところ、「うさんくさい......」と言われた。
かくしてチャーハンとデザートは食べ尽くされた。

次に悟空茶荘に行った。私はライチ茶に白玉を浮かべたおやつと、プーアル茶を注文した(写真5)。私はプーアル茶を飲んだことがなく、もっと飲みにくいものかと思っていたが、飲んでみると意外に美味しかった。
写真5 お茶など

ここでは、確かこんな会話をした。
私「この前旅行行っとったみたいやけど、どこ行ったんやったっけ?」
丸子橋「まず新潟に行って、次が北陸。大阪から湯村温泉と城崎温泉に行って帰ってきた。普段は松山に行ってしまうからなかなか北陸には行けないのだけど、松山に行かないことでようやく北陸に行けた」
私「新潟って何があるんやっけ?米?」
丸子橋「米は確かにあるけど......ジオパークに行ってきたよ。糸魚川の」
私「ああー、構造線。何やっけ.......」
丸子橋「イトシズだから、糸魚川-静岡構造線」
私「それそれ。ブラタモリで見た。タモさんがよく言うとるよな。そういえばブラタモリ最近録画できてなくて見れてないわ」
丸子橋「なんで?」
私「録画のストレージがパンパンで......」
丸子橋「何が入ってるの」
私「うーん。俺1年生の時イタ語クラスやったんやけど、そのとき録った「テレビでイタリア語」がまだ見ずに残ってる」
丸子橋「それはもう見ないでしょ」
私「あとは途中で止まっているアニメとか。「ダンベル何キロ」は筋トレしながら見ようと思っていたんやけど、エロすぎて筋トレどころじゃなくなるから止まってる。後はヤマノススメ3期。主人公の陰キャが生々しすぎてつらくなるから、カラオケの話より先が見られてない」
丸子橋「確かにちょっと重いかも......。ぼっち・ざ・ろっく!くらい突き抜けていればいいけど」
私「ぼざろのアニメ楽しみや」
旅行の話がどこかに行ってしまった。
写真6 禅

お茶をたくさん飲んでいたらトイレに行きたくなってきた。お茶をたくさん飲んだせいでトイレに行きたくなるなんて、まるでけいおんの2期23話だなあと思いながらトイレに行くと、「禅」があった(写真6)。なんだか可愛い女の子が出てくるアニメのことばかり考えていたのを戒められたような気分になった。
写真7 右翼

次は北朝鮮の工作船展示に行くことにした。中華街から歩いていると、右翼が「国賊の暴力集団である日本共産党は滅ぼさねばならない」と大声で主張していた(写真7)。そのときは「そんなことわざわざ言わんでも、日本共産党に投票するような人なんてそもそもほとんどおらんやろ」と思っていたが、帰宅してからよくよく考えてみると私がその人だった。あそこで演説していたおかげで主張を届けるべき人に届けられたわけで、右翼の人も満足だったかもしれない。

そうこうしていると北朝鮮の工作船展示に到着した(写真8)。普段見ることのできない本物の銃火器を見られて良かった。ロケットランチャーまで搭載されていたのは驚きだった。居住区画を極限まで削った代わりに兵器がたくさん積まれていて、予想以上に攻撃的な船だと思った。
この工作船は日本の海上保安庁と撃ち合いになった末、自爆して沈没したものだそうだ。その自爆スイッチも展示されていた。自爆スイッチなんてフィクションの悪役が載るロボットにしか搭載されていないと思っていたので、本物を見ることができ興奮した。
また、船から発見された食料品も展示されていた。どこから入手したのか、日本で作られた缶詰も含まれていた。この缶詰をお土産として売ってほしいなと思った。
丸子橋は小学生の頃友達とここに来たことがあったそうだ。私が「さすがハマっ子。小学校の頃は子供だけで校区の外に行ったらあかんって先生に言われとったんやけど、俺の校区は信号機が合計で何本あるねん、10ヶ所くらいか、みたいな感じのところやった。北朝鮮の工作船なんてなかったから、都会の横浜育ちの人が羨ましいわ」と言ったところ、「そんな各自治体ごとに北朝鮮の工作船があっても困るけどね」と言われた。そりゃそうだ。
写真8 北朝鮮の工作船

最後に蒲田駅からはすぬま温泉に行った。丸子橋行きつけの銭湯である。私は蒲田駅が怖くて一度も行ったことがなかったが、いざ蒲田駅に降りてみると駅と目と鼻の先のところにユザワヤがあることが分かったため、まあユザワヤがあるなら大丈夫かと安心した。
はすぬま温泉は源泉掛け流しの天然温泉が魅力の店だ。500円でこんなにいいお湯に浸かっていいものかと思うくらいいいお湯だった。私が大好きな炭酸泉もあったのが嬉しかった。道後温泉を意識したという内装もとてもオシャレで綺麗だった。
蒲田駅で丸子橋と別れることになった。蒲田駅前で、丸子橋に「もう蒲田怖くなくなった?」と尋ねられた。私は「うん」と答えたが、そこに歩行者なんて邪魔だ邪魔だと言わんばかりに目の前を暴走自転車が通り過ぎていった。私は「やっぱり怖い」と言い直した。いくらユザワヤがあるとはいえ、私がはすぬま温泉に行くことはもう二度とないかもしれない。

この日は一日中遊んで楽しかった。
遊んでいる最中、丸子橋に「今度青森に行こう」と誘われた。私は青森県に行ったことがない。青森県というと、弘前に松屋があるということだけは知っているが、松屋以外に何があるのかは全然知らない。青森県に行って何をするのか、青森県に行くとどんないいことがあるのか、全くもってわからないまま、とりあえず「いいね。行こう」と即答しておいた。彼が提案する場所なら、きっと面白いところに違いないからだ。今から楽しみである。

2022年10月10日月曜日

茨城県水戸市

最近干し芋をよく食べている。茨城県産紅はるかだ。干し芋は調理や皮剥きなどの手間もなく簡単に食べられるし、何より美味しい。食物繊維が豊富だから、空腹を誤魔化すのにも便利である。
しかし、いくら干し芋が美味しいとはいえ、このように甘くてねっとりしたものを続け様に食べていると飽きが出てくる。干し芋をよく食べているのは確かだが、内心、食べるたびに飽きたなあと思っている。そして心の中で秋田県秋田市と言っている。これで干し芋への飽きを誤魔化そうとしていたが、今ではこのギャグにも飽きている。秋田県秋田市を秋田新幹線に変えてみたが、干し芋への飽きは変わらなかった。安芸は今の広島県である。秋田県秋田市を広島県広島市に変えてみたが、干し芋への飽きは変わらなかった。そういう問題ではないらしい。
来月、九州大学に出張に行くことが決まった。九州大学があるのは福岡県福岡市だ。大学の事務によれば、東京から福岡に行くのには新幹線ではなく飛行機を使ってもいいということだった。秋田といえばきりたんぽ鍋だが、福岡には水炊きがある。広島県は牡蠣の土手鍋で有名だ。茨城県に鍋の郷土料理はなさそうに思われる。せっかく福岡に行くならその土地の美味しい料理を食べたいものだが、一人で水炊きの店に行くのはためらわれる。だからと言って福岡で茨城県産紅はるかばかり食べているのもやっぱり寂しい。特に博多ラーメンは一度食べてみたいなと思っている。
そういうわけで、福岡県福岡市の美味しい店を知っている人がいたらコメントなどで教えてほしい。

2022年9月11日日曜日

発泡酒の逆襲

私は普段養命酒以外のお酒をあまり飲まない。アルコールは健康に悪いからだ。多量の飲酒は肝硬変や癌などのリスクを高める。従って、健康にさほど悪影響を及ぼさない範囲で飲酒しようと思えば、一ヶ月のうちに飲める量は自ずと限られてくることになる。
そうは言うものの、私は全くお酒を飲まないわけでも、お酒が嫌いなわけでもない。あくまで節制しているだけだ。私が一番好んでいる酒はビールである。あのホップの香りが好きだ。アルコール度数が低くて飲みやすいのも良い。
スーパーのビールの棚に行ってみると、発泡酒と呼ばれるお酒も隣で一緒に並べられている。値段こそビールより安いものの、買って飲んでみると味が薄くて物足りない。折角の限られた肝臓を使うなら、多少高くても発泡酒よりビールを選びたいと思ってしまう。
発泡酒の安さは酒税の安さだ。本来であれば、酒税はアルコールの度数に応じて決められるべきだろう。しかし、ビールは他の醸造酒と比べてアルコール度数の割に異様に高い酒税を課せられている。発泡酒は、この歪な税制によって生み出された。社会が「ビールのような味だがビールに分類されない酒」を求めたためだ。本来なら概念として存在しなかったはずなのに、日本社会のひずみ、人間のエゴによって生み出されてしまったミュータント。それが発泡酒なのである。もう一度スーパーの発泡酒の棚へ行ってみよう。このような声が聞こえてこないだろうか。


わたしは誰だ......?
ここはどこだ......?


この内なる苦悩を抱えた発泡酒たちに対して、誰が諭してあげることができようか。これがもう一段階進むとこうなる。


誰が生めと頼んだ!
誰が造ってくれと願った!


行き着くところはこうだ。


わたしはわたしを生んだ全てを恨む......

だからこれは

攻撃でもなく
宣戦布告でもなく

わたしを生み出したお前達への
 "逆襲" だ


今でこそ彼らは大人しく陳列されているが、こうなったらもう手出しできまい。人類滅亡の危機である。もしあなたが発泡酒を好んで飲んでいるのであれば、それはミュウツーを飲んでいるのと同じことだと自覚すべきだ。手遅れの事態を回避するためにも、我々は速やかに酒税法を改正する必要があるだろう。

2022年9月10日土曜日

マリンタワーというタワー

次のような会話をした。
「この前マリンタワーに行ってきたんですよ」
私「マリンタワー?何それ」
「マリンタワーというタワーがあって......これ全然説明になってないですね」
私「いやいやいや!マリンタワーがタワーやったなんて初めて知ったわ。ホンマ有益な情報で助かった。マリンタワーのこと今まで......えーっと.....魚の一種やと思っとったからな」
「それは......その、大変ですね......」

呆れられてしまった。しかし、これは私がアホだということで済ませてよい問題だろうか。確かにマリンタワーという名前は「タワー」で終わっている。だが、それがタワーであることは決して自明ではない。これを示す例を以下に挙げよう。
  1. シーチキンは鶏肉ではない。
  2. 自称進学校は進学校ではない。
  3. 消化不良は不良ではない。
  4. 海老チリはチリ共和国ではない。
  5. ブラインドはインド共和国ではない。
  6. プラトニックラブはクラブではないし、個人的にクラブはプラトニックラブから遠い場所だという偏見がある。
  7. 泣き虫は虫ではなく人である。
  8. 「銃・病原菌・鉄」は鉄ではなく紙でできている。
  9. イスラム国はテロ組織であり、国家とは認められない。
  10. Mr. Childrenは大人四人のグループである。
  11. 疑似乱数は乱数というが、決定論的に計算されているため、注意して使わないと周期の短さ等が問題になることがある。
  12. 足利義政は政治に関心がなく、慈照寺を建てて隠居してしまった。
  13. 奈良が良いかと言われると......微妙である。
  14. 東京都は都と付くものの一地方自治体に過ぎない。天皇陛下は東京に散歩に行っているだけだから、日本の首都は京都である。
  15. 河豚はブタではなく、魚である。
キリがないからこの辺りでやめておこう。ともかくも、このように考えれば私がマリンタワーと聞いて魚の一種だと勘違いしてしまったのも納得できる話ではないだろうか。フグみたいなものである。

2022年9月5日月曜日

脱衣所の謎

今日は銭湯に行ってきた。番台で回数券を出し、ロッカーの鍵を受け取って、脱衣所へ入った。私は尿意を催していた。脱衣所には一つの大便器から成るトイレがあった。私はそそくさとトイレに入り、鍵を閉め、放尿を開始した。そのとき私の脳裏に一つの疑問が浮かんだ。

私は今何のため・・・・にトイレの鍵を閉めたのか?

今ここでトイレの鍵をピッキングか何かで開けられて、私の放尿シーンが脱衣所にいる人みなの前で晒されたとしたら、私はきっと恥ずかしい気持ちになるだろう。しかし一体何が恥ずかしいというのだろうか。ここは銭湯の更衣室なのだから、周りの人に性器を見られたとしても何も問題はない。普段小便器を平気で使っているのだから、放尿の様子を見られるのが恥ずかしいという理屈も成り立たない。
今の私は服を着ていて、トイレの外の人は裸なのだ。鍵によって守られた内部にいる私の方が露出度が低く、鍵の外側の人の方が露出度が高い。なぜ私が恥ずかしがらねばならないのか?恥ずかしがるべきは外側の彼らの方ではないか?これはパラドックスではないか?どうしてこのような現象が起きるのか?
浴槽に浸かりながら、そんなことを30分ずっと考えていた。湯温は42度だった。

私はすっかりのぼせてしまった。番台で冷たい牛乳を買って、銭湯の外でぐびぐびと飲んだ。夕方の空気が涼しかった。秋はすぐそこまで近づいていた。

2022年9月3日土曜日

会話は人生か?

スペースで志津さん(@Sea_Z6)と話していた。
私「文章を書くときって推敲を重ねて全体として一貫した内容になるようにするけど、話をするときってそういうことができないから、話しているうちに全然違う内容になることがあるんよな」
志津さん「でも、そうやってどこに行くか分からないことが会話の楽しさでもありますよね」
私「確かに。人生と一緒やな。会話って人生やわ」
志津さん「人生楽しいですか?」
私「いや、全然」
志津さん「じゃあ違うじゃないですか。会話はどこに行くか分からないから楽しいって話だったのに......」
私「確かに。全然違うわ。会話は人生ではない」

2022年8月7日日曜日

【告知】東大きらら同好会合同誌「Micare vol. 2」

東大きらら同好会の夏コミ新刊「Micare vol. 2」(同好会公式サイト)に寄稿しました。 

私が関わっているのは、主に

  • 記事「会員厳選!イチオシきらら」
  • 記事「九条カレンと量子ビット」
  • 漫画「なるコティズム」
の3つです。

 「会員厳選!イチオシきらら」は合同企画で、5人の選者が好きなきらら作品について紹介するというコーナーです。私も1作品を紹介しました。私が紹介した作品とは何なのか、予想できますでしょうか。

記事「九条カレンと量子ビット」はきんいろモザイクと量子力学の話です。おびただしい量の数式と、締切後に大量の修正点を送ったことで編集担当・校閲担当・デザイン担当の仕事を大幅に増やし、迷惑をかけにかけた問題作です。記事を書く側だったからよかったものの、これを載せろと言われた側はたまったものではなかったでしょう。誰も読まなかったら苦労した彼らも浮かばれませんから、是非読んでみてください。

「なるコティズム」はオリジナルの4コマ漫画です。かわいくて温かみのある作品を作ることを目標に、ブログ掲載の過去作のときよりだいぶ真面目に描きました。従って、大麻を使用するキャラは作中に出てきません。 大麻を使用するキャラがいる漫画は読めない、という方でも安心してお楽しみいただける作品となっています。おまけも含めて合計32ページあります。

「Micare vol. 2」はさまざまな方の力を合わせて作られており、見どころたっぷりです。イラストにミステリに評論にとバラエティに富んでいて、携わっていて楽しかったです。
何冊売れても私にお金が入ることはない(*1)そうなのですが、売れないと編集長の方が胃痛になると聞いています。よかったら買ってみてください。購入方法は以下の通りです。

  • 同人誌即売会
    今年の8月13日、コミックマーケット100で販売されます。東Y16aとかいうところがスペースだそうです。他にも駒場祭のコミアカなどでも販売されることでしょう。
  • 委託販売
    メロンブックスで注文ができます。通販での購入も可能です。
  • 私からの手渡し
    私も購入予定ですので、知り合いの方は言ってもらえたらついでに買っておくことが可能です。

買う気になれなくても告知ツイートのRTだけでもしていってもらえると助かります。それでは、皆さんどうかよろしくお願いします。

(*1)「Micare vol.2」の本自体も、自分でお金を出して買います。

2022年5月10日火曜日

指導法

友達A「この前バイトでな」
私「うん」
A「塾で小学生教えとるんやけど」
私「へー」
A「生徒の中に小学生同士で付き合ってるカップルがおって」
私「ふむ」
A「その男の子の方が早く終わったねんな」
私「ほう」
A「そしたらその子、女の子の方が終わるまで外で待ってくれとった」
私「ガキンチョの分際で生意気な。そんなもん女子の方だけ課題10倍や。風邪引いてまえ」
A「ほんまかわいかったわー」
私「あれ?」
A「?」
私「そうか......」
私「そっちが正解か.......」

2022年3月23日水曜日

春が来る!新しい恋......を妄想しよう!

昨年の春、友達がサントリーに入社した。サントリー志望の就活生は、みんなサントリーとエントリーで韻を踏んでふふっと笑うのだろうか。サントリー エントリー、ヤクルト デカルト。
そんなことはどうでもいい。重要なのは私は飲料メーカーで一番サントリーを応援しているという事実だ。ここ一年ほど、私は常にサントリーを意識して毎日サントリーの烏龍茶をがぶ飲みしている。そんなサントリー漬けの生活を送っていたある日、Twitterにこのようなツイートが流れてきた。

ジョイマンとムーディ勝山!夢のコラボの開幕に私は狂喜乱舞した。 動画も期待に背かない素晴らしい内容だった。頭の中に笑いの花が咲き乱れる。今は3月23日。まだ少し寒いけれど、春はもう目の前にいる。春だ。春が来る。恋の予感!

私には彼女がいない。しかし、人生万事塞翁が馬だ。運命の出会いというものはいつ起こるのかわからない。「Chance favors the prepared mind」という諺がある。チャンスが降りかかってきたときに、ちゃんと掴み取れる心を持っておかなければならない。だから今から想定しておこう。理想の出会いを。

***

街中。歩いていると、前の女性のカバンから何か落ちた。女性は気付いていないようだ。慌てて拾い上げてみると、ハンカチのようだった。女性のもとへ駆け寄る。

私「あの、すみません」

女性が振り向く。あまりの美貌に息を飲む。緊張が一気に高まる。カミカミになりながらも、話しかける。

私「こ.......これ、落としませんでしたか」
女性「あ!私のです!拾ってくださったんですね。ありがとう オリゴ糖」

澄んだ声。今、確かに「ありがとう オリゴ糖」と発せられた。想定外の言葉に、思わず息を飲む。わずかな沈黙ののち、意を決して返事をする。

私「なななな〜なななな〜」
女性「仲良く なりたいです」
私「当然のことを〜しただけ〜 当然 心不全。礼には〜及ばぬ〜 及ばない 真駒内。いきなり出てきてごっめーん 誠にすいまめーん」
女性「なんだこいつー!」

私「LINEの〜連絡先〜tell me show me」
女性「いいですよ!」(LINE交換をする)
私「どうですか〜お茶でも〜 喫茶店 韋駄天」
女性「行きましょう行きましょう!どこがいいでしょう?」
私(スッとジョイマンの真似をやめる)
私「少し歩いたところに純喫茶があるみたいですね。ここにしましょう」

高鳴る胸の鼓動を抑えながら、私は女性の隣に並んで歩き始めた。

***

2022年2月6日日曜日

性格の悪い美人か、性格の良いブスか

私「究極の二択として、『性格の悪い美人と性格の良いブス、結婚するならどっち?』っていうのがよくあるやんか。でもこれって性格の良いブス一択やろって思う。これは両者の極限を考えてみたら分かる話で、いくら容姿が醜くてもそれで命に危険が及ぶことはない。しかしその一方で、性格の悪い美人は最悪の場合多額の保険金をかけた上で殺してくるはずや。自分の手を汚さず殺し屋を雇ってくる可能性を考えれば、本人と離れていても安全とは言えず、結婚したその瞬間に地球に安全な場所はなくなる。以上の議論から、性格の良いブスを選ぶべきだという結論が導かれるわけや」

友達「そうかもしれないけど、こんなこと言ってるやつは性格の良いブスに選んでもらえないやろな」

私「......」